ダイエット野郎

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ダイエットしても根本的に痩せない3つの源因

根本的にダイエットを妨げる原因とは、正しいダイエットを行っても身体に備わる「仕組・摂理・機能異常」などの要因によって痩せない結果を導くものです。この根本的に痩せない原因には「身体の保護機能・代謝に関する年齢と体質・代謝を狂わせる疾患」の3つがあり、この条件の内どれか一つでも該当していたり持ち合わせていると正しいダイエットを行っても「脂肪分解→脂肪燃焼」という正しい脂質代謝のサイクルが起き難いので痩せ難いのです。

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この記事ではダイエットの注意事項として痩せない根本的な原因「身体の仕組み・代謝と体質・痩せ難い疾患」について皆様にシェアさせて頂きます。

 

 

目次

 

 

 

 

 

1.身体に備わる防御反応

人には身体の内部環境をコントロールする「自律神経系・内分泌系・免疫系」の3つのバランスを常に保ち健康を維持するという機能が備わっています。この健康の根幹を支えている機能を「恒常性の維持(ホメオスタシス)」と呼びます。

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ホメオスタシスとは

健康の根幹を支えている「自律神経・内分泌・免疫」という恒常性を維持する機能です。健康を維持する仕組みである一方防御システムとして危機的環境下にさらされた時に生命を維持するために積極的に働きます

例えば人が遭難して食べ物を食べなくても1週間程度生き延びる事ができるのはホメオスタシスが「身体が冷えれば体温を上げ、エネルギーが足りなければ消費を抑える」など生命維持のために働くからなのです。

つまりホメオスタシスとは体内の健康状態を常に一定に保ち急激な状況変化が起きても身体を守る為に働くセーフティー機能なのです。

 

しかし人の身体に備わっているホメオスタシスという素晴らしい機能はダイエットにおいては複数の障壁となるのです。

 

 

 

 

 

2.ダイエットとホメオスタシス

ダイエットを始めてもなかなか痩せなかったり、最初は順調に痩せていたのに途中から痩せなくなる原因の多くにホメオスタシスが関与しています。最初から痩せない場合には身体にダイエットが記憶されている可能性があり、途中から痩せない場合にはダイエットの食事制限により危機的状況化と判断されている可能性が高いのです。

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身体にあるダイエットの記憶

正しく痩せられるダイエットには「糖質制限orカロリー制限」のどちらかの食事制限が組み込まれており脂肪の分解を促し燃焼をサポートし痩せるという仕組みになっています。

しかし過去にダイエットを経験している場合身体には過去に起きた「栄養上の危機的状況」としてダイエットが記憶されているのです。

つまりカロリー制限ダイエットを過去に行った場合には極度の栄養不足」と記憶され、糖質制限ダイエットを行った場合には極度の糖質不足」と記憶されます。

そしてもう一度同じ食事制限を行った場合に過去に起きた体内事例を元に防御機能であるホメオスタシスがいち早く反応するので痩せ難いという状態が起こるのです。

 

だからダイエットは何度も繰り返すごとに成功が難しくなり、可能であれば一度だけのダイエットで終わらせたいと言われているのです。

 

 

 

ダイエットによる危機の察知

ダイエットを行っていて最初は順調に痩せますが途中から痩せなくなる状態を停滞期と言います

ダイエットでは食事制限を行うことで食事から不足する栄養分を補う為に脂肪を分解し燃焼します。

身体も最初は足りない栄養素を補う為脂肪を使うように働きますが、その状況が続くにつれ徐々に身体に備わるホメオスタシスが栄養環境が悪化している危機的状況だ」とダイエットを判断します。

そうなると最初は順調に脂肪を燃やし痩せていたのに、ホメオスタシスが介入してからは危機的状況を乗り切るためにエネルギーの消費量を最小限に抑えようと働くのでダイエットを継続しても痩せないという状態になってしまいます。これが停滞期に陥る仕組みなのです。

停滞期の解決方法が知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

 

 

 

3.体質による代謝の影響

人は本来糖も脂質も代謝(分解消費)できますが、先天的にどちらかの代謝が苦手だったり、日頃の生活習慣によってどちらも苦手という体質の方もいます。糖や脂質の代謝が苦手だということはダイエットにおいて必ず必要となる脂肪分解の為の食事制限にハンデがあるということです。

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脂質代謝が苦手な体質

先天的(遺伝的)に脂質代謝が苦手な体質の場合、脂質の「分解・燃焼」によってエネルギー(ATP)生産が得意ではないので脂質を食べる事によって脂肪を蓄えてしまいます

このタイプがダイエットを行う時に気を付けなければならない事は脂質の摂取です。

脂質は身体に必要な必須栄養素ですが、多くとりすぎると「燃やせない・溜め込みやすい」体質なので、体質と合わず苦手とする食事制限は高たんぱく高脂質になりやすい糖質制限です

逆に言うと脂質のトータル摂取量が抑えられるカロリー制限と相性が良いということなのです。

 

 

 

糖代謝が苦手な体質

先天的(遺伝的)に糖代謝が苦手な体質の場合、糖質の「分解→燃焼」によってエネルギー(ATP)生産が得意ではないので糖質を食べる事でより脂肪を蓄えてしまいます

糖代謝が苦手な方は逆に脂質代謝が得意な方が多いので糖質を断つ糖質制限との相性が良いと言えます。つまり糖質制限を行う事で代謝が苦手な糖が身体に入って来ないので
減量中は水を得た魚にように高効率ということです。

しかしカロリー制限では食事量が減りますが食べ物に制約がないので代謝を苦手とする糖質を食べてしまう可能性が高いので上手く減量できない可能性があります

 

 

 

「糖質・脂質」共に代謝が苦手な体質

糖代謝・脂質代謝がどちらも苦手な体質の方がまれにおられます

この場合、糖と脂質のどちらかの代謝が先天的に苦手でその後の食生活の影響によって徐々にどちらの代謝も苦手な体質となり「太りやすく痩せにくい」体質となってしまいます。

この体質の場合ダイエットで痩せるのは難しく結果が出にくいのですが痩せるのが不可能という訳ではありません

糖や脂質の代謝が苦手な体質にマッチする食事制限は食事を減らすタイプのカロリー制限ダイエットです。これは極論「食べなければ痩せる」という体の摂理を生かすしか方法がありません。

 

ご自身の代謝に対する体質が知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

 

 

 

4.気持ちと体質の不一致

ダイエットの食事制限(糖質制限orカロリー制限)と体質によるマッチングがあるように、個人の気持ちによる食事制限の好き嫌いも存在します。体質に合う方法(食事制限)が解っていても、好みの問題で体質に合わない方法(食事制限)を選んでしまうと著しく減量効率が下がり根本的に痩せない可能性があります。

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どうしても糖質制限が苦手

  • あなたの感情
    どうしても甘い物が辞められない、どうしてもお米や麺などの炭水化物が辞められないので糖質制限ができないという人。

  • あなたの体質
    身体は糖代謝が苦手な場合、脂質代謝が得意なのでダイエットを行う上では糖の総摂取量が減る糖質制限ダイエットが向いているという体質。

  • 不一致が起こる場合
    「気持ちは甘い物が食べたい・体質は糖質制限に向いている」という場合、多くの人が感情を優先してカロリー制限ダイエットを選択します
    この場合、感情を優先してカロリー制限ダイエットを行うと食事から糖が入ってくるので体質的に減量効率は下がってしまうのです。

 

 

 

どうしてもカロリー制限が苦手

  • あなたの感情
    どうでしても食事を減らすのは嫌で、3食しっかりと食事がしたいという理由でカロリー制限ができないという人。

  • あなたの体質
    身体が脂質代謝が苦手な場合は糖代謝が得意なことが多くダイエットを行う上では脂質の総摂取量が減るカロリー制限が向いているという体質。

  • 不一致が起こる場合
    「気持ちは3食しっかりと食事がしたい・体質はカロリー制限が向いている」という場合、多くの人が感情を優先して糖質制限ダイエットを選択します。しかしこの場合は、感情を優先して糖質制限ダイエットを行うと食事から脂質が多く入ってくるので体質的に減量効果は下がり痩せ難いという事態に繋がります。

 

 

 

減量時の食事制限の選択方法

  • 効率重視
    ダイエットでの減量効率を最優先する場合は身体が代謝を得意とする栄養素に当てはまる食事制限を選ぶことがベストです。
    身体の効率と気持ちの選択がリンクすると効率が良いダイエットを継続できるので減量効果が非常に高くなります
    まれにダイエット1週間で5キロ減など驚異的な減量効果を体感される方がいるのは身体の特性と気持ちの選択がリンクしているからなのです。


  • 継続重視
    ダイエットでの継続性を最優先する場合は自分ができるという感情を優先した食事制限を選ぶことになります。
    ダイエットを行う上で継続性は紛れもない成功条件の一つなので感情優先の選択は悪くはありません
    しかしもし感情優先で選択した食事制限と体質が得意とする食事制限がリンクしていない場合減量効率は下がり継続している期間の割には減量効果が低くなる可能性が高いのです。

 

つまり体質には得意とする食事制限があるにも関わらず、人は感情で食事制限を選択するということです。

食事制限を行う時に体質と感情の双方が一致すれば減量効果が高まりますが、体質と感情が一致せず体質に合わない食事制限を行うと痩せ難いのです。

人は感情の生き物なので合理的な方法が解っていても感情を優先する傾向があるので「体質と感情」がずれている場合ダイエットは失敗する可能性が高いのです。

 

 

 

 

 

5.加齢による代謝の低下

代謝を大きく下げてしまう原因は加齢であり、加齢に伴う大きな代謝低下要因に「筋肉量の低下・活性酸素の増加・ホルモン分泌の低下」があります。代謝に関わる各要因は老化とも呼べ避けられない要因ですが、ポイントを知り得ることで対策も可能となります。

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筋肉量の低下

加齢に伴う代謝の低下要因の一つに筋肉量の低下があります。筋肉量は30代から減り初め50代~60代で大きく低下します。

筋肉での代謝量は基礎代謝全体中の22%と大きな割合を占めていますので、加齢に伴う筋肉量の低下は大きな代謝低下要因となります。

 

 

 

活性酸素の増加

代謝を低下させる要因として活性酸素は見過ごせない存在です。活性酸素が身体に蓄積すると脂肪や糖を燃やしてくれるミトコンドリアの活性が低下してしまいます。

活性酸素が加齢と共に増加する仕組みは、活性酸素を除去する活性酸素除去酵素(SOD)の生産量が低下することで活性酸素が蓄積されます。

活性酸素の蓄積は体内で活動できるミトコンドリア数が減少することを意味します。

活発なミトコンドリア数が減るということは脂肪や糖を燃焼する場所が減ってしまうことになるので、代謝も低下してしまいます。

 

 

 

ホルモン分泌の低下

代謝に深く関わるホルモンの代表格が性ホルモン「男性ホルモン(テストステロン)・女性ホルモン(エストロゲン)」と成長ホルモンです。

どちらのホルモンにも脂肪燃焼を促進する働きがあり代謝に大きく貢献していますが加齢により分泌量が低下する事で代謝を下げてしまう原因となってしまうのです。

 

性ホルモン

女性ホルモン(エストロゲン)・男性ホルモン(テストステロン)には、それぞれに雌雄の体型を維持し司る働きがあります

その働きの一環に脂肪の燃焼を促す働きがあるのですがどちらのホルモンも加齢に伴い減少することで体型維持が難しくなってきます。

その結果、年老いていくと雌雄の体格差は無くなり男性女性共に似たような太り方になってしまうのです。

 

成長ホルモン

成長ホルモンは子供の成長を促すホルモンですが大人になっても分泌は継続されます。その理由は日々の食事から得られる摂り過ぎたエネルギー源(脂質・糖質)の燃焼を促し肥満を防止するために成長ホルモンは働きます。

成長ホルモンは睡眠中に分泌されますが加齢に伴い「睡眠時間の減少・質の低下」することで成長ホルモンの分泌も低下し代謝が低下してしまいます。

 

「加齢と代謝の関係」について詳しく知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

 

 

6.痩せない疾患

何をやっても痩せない原因の一つに病(疾患)の存在があります。特に健康の根幹であるホメオスタシス(恒常性の維持)に属する「自律神経系・内分泌系・免疫系」に関与する疾患をお持ちの場合は身体のバランスが崩れてしまっているので正確なダイエットを行っても正常に身体が反応(代謝)してくれない場合があります。身体の原因による肥満を二次性肥満と言います。

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自律神経系に影響が出て太る病

自律神経系に支障をきたす病は「自律神経失調症・うつ病・統合失調症」などの精神疾患です。

病の主な原因は日常生活に潜む「ストレス」で、発散が苦手で蓄積させてしまう人が病に発展しやすい傾向があります

精神疾患を患うと痩せ難く太りやすい理由がストレスによって自律神経の働きに支障をきたしその配下に位置するホルモン分泌を行う内分泌機関に正常な指令が届かず正しいホルモン分泌が行えないので代謝が下がり太りやすく痩せ難い状態となってしまうのです。

 

 

 

内分泌系異常によって太る病

内分泌に不具合が出て太ってしまうことを内分泌肥満と呼び代表的な疾患に「甲状腺機能低下症・成長ホルモン分泌不全症・クッシング症候群」などがあります。

内分泌は代謝に必要なホルモンを分泌する機関なので、内分泌に異常が出てしまうと正しいホルモン分泌が出来なくなってしまい正しい代謝反応が起きなくなってしまいます

つまり内分泌疾患を患うと代謝が下がる可能性が高く太りやすく痩せ難い体質になってしまう可能性が高いのです。

 

 

 

免疫系異常によって太る病

自己免疫疾患という免疫機能が亢進し過剰に体内組織を攻撃することで肥満を誘発してしまう病に「橋本病・バセドウ病」があります。

橋本病は自ら甲状腺を攻撃し続けてしまい最終的に甲状腺機能低下症を引き起こすことで代謝を下げてしまいます

バセドウ病は逆に甲状腺機能を亢進させてしまい代謝が上がりますがエネルギー消費が激しい為食欲も大きく向上してしまうので食べ過ぎて太ってしまう人もおられます。

 

実際に痩せない方の中にはこれらの疾患を患っておられる可能性が多々ありますので、正しいダイエットを行っても痩せない場合は医師に相談し検査することをお勧めします。

 

更に詳しく「痩せない病気」について知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

 

以上でダイエットしても痩せない原因「恒常性・体質と代謝・疾患」についての記述を終えさせて頂きます。

痩せない主な原因は身体に備わるセイフティの仕組みが働く事で痩せなかったり、または代謝に関する仕組みが「体質との相性・正常に働かない」ことです。

もしあなたのダイエットが行き詰まってしまったら一度自分の身体を分析してみてはいかがでしょうか🌸

ダイエットを根本的に妨げる「痩せない病気」を徹底解説

「ダイエットしても痩せない」という方は一定数おられます。その原因の多くはダイエットに不利な身体状態、すなわち代謝に影響を与える疾患をお持ちの方が多いのです。代謝に影響を与える疾患には「自律神経系・内分泌系・免疫系」に関わる物があります。西洋医学では「自律神経・内分泌・免疫」の3つをホメオスタシスの三角形と呼び、我々の健康を支えるためのシステムとして働いています。
このシステムの各カテゴリーで病を発症し支障きたすことで太るのはもちろんのこと、3つのカテゴリーの内どこか一つに異常をきたすことで身体のバランスが崩れてしまい更なる肥満を誘発してしまうこともあるのです。

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この記事ではダイエットを行っても「痩せない」疾患に関する「知識・種類・メカニズム・解決方法」を皆様にシェアさせて頂きます。

 

 

目次

 

 

 

 

1.自律神経系疾患とダイエットの関係性

自律神経系は内分泌系と同調し身体のホルモンバランを調節し内臓での代謝をコントロールして生命を維持する重要な機関です。自律神経系が不調をきたすと正しいホルモン分泌が行えない為、正しい代謝が起き難く痩せにくい場合があります。

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指令を伝達する自律神経

まず自律神経には「血管収集・心拍数増加」などの興奮緊張状態に導く交感神経と「消化促進・血圧降下」などの安静状態に導く副交感神経2つの神経から構成されており互いに相対的な働きをしています。

自律神経は生命維持に必要不可欠な「循環・呼吸・消化・発汗・体温調節・内分泌・代謝・生殖機能」を制御しています。

つまり身体の機能をコントロールする神経で日々の生理活性(ホルモン分泌)を行うための指令を伝達する機関です。

すなわち自律神経は身体の仕組みで痩せる「ダイエット」においても非常に重要な働きをするということです。

 

 

 

自律神経失調症

自律神経失調症は有名な疾患ですが実は正式なガイドラインに記載されている正式な病名ではありません。

自律神経失調症は「ストレス・生活習慣・ホルモン」の影響を受ける事で自律神経の働きが乱れて辛い症状が認められている状態を言います。

しかしこれは自律神経が乱れている状態であって病ではないと日本の医療では定義されています。

 

 

 

太りやすい心の病

肥満を誘発しやすい精神疾患の代表が「うつ病」と「統合失調症」です。

どちらの疾患にも「意欲が無くなる・無気力・無関心」などの行動意欲が減り運動量が減りやすい傾向にあります。

そして「抗精神病薬。抗うつ剤」の薬理作用によって食欲が増加したり便秘になりやすくなったりするので太りやすいのです。

 

うつ病と肥満の関係

うつ病患者が太りやすい理由は「ストレスによる過食」「無気力による運動量の低下」「抗うつ剤による薬理作用」によるものです。

うつ病の状態とは脳内の神経伝達物質で感情や行動意欲の素となる「ノルアドレナリン」や「セロトニン」の生産や分泌が低下し機能が低下している状態を指します。

この状態に至るには生活環境による日々のストレスや大きなショックを受けた出来事など要因は多義にわたり、常にストレス過多の状態なのです。

つまり身体は自身を守る為にストレスを低減させる行動を取らせようとし、その行動の一つがうつ病患者に多く見られる「過食」です。

さらに脳内の神経伝達物質が低下していることによって気力がなくなり運動量が低下します。最後に医師による抗うつ剤処方により食欲が増加します。

 

統合失調症と肥満の関係

統合失調症患者が太りやすい理由はうつ病患者の理由とほぼ同じです。

それは「ストレスによる過食」「無気力による運動量の低下」「抗精神病薬による薬理作用」によるものです。

統合失調症の詳細な原因は現段階では分かっていませんが、発症のきっかけはやはり生活環境の変化や大きなショックを受けたこととされております。

環境変化やショックな出来事は、常にストレスを生み出しますので過食に繋がりやすく、また感情や行動意欲の低下に関してはドーパミンとセロトニンの分泌バランスが崩れているために起こり運動量の低下に繋がります。

そして抗精神病薬の影響によって食欲の増加や便秘になりやすく太りやすいのです。

 

精神安定剤(抗うつ剤・抗精神病薬)が太る仕組み

太る可能性のある西洋薬を挙げると「ジプレキサ・レクサプロ・クエチアビン・リフレックス・デパケン・パキシル・ドグマチール・リボトリール」などがあります。

これらのお薬を飲むと太りやすくなる理由は、薬効による抗ヒスタミン作用によって食欲を増加させるグレリンというホルモンの分泌を促進するためです。

その結果、お腹が空きやすく満腹感が得られない状態になりやすく糖質やカロリーの過剰摂取となり太ってしまうのです。

さらに脂質代謝の抑制も行ってしまうので代謝も低くなりやすいのです。

 

 

 

心の病が痩せない原因と改善

精神疾患の方の主な肥満原因は「代謝低下(ストレス・不眠)」・「過食(ストレス・薬理作用)」・「運動不足(行動意欲の低下)」・「便秘症状(薬理作用)」によるものです。

ここで大切なことはストレスを要因として自律神経に影響が出ており代謝に深く関係する内分泌にも影響が出ているということです。

つまり既に代謝が低い可能性がありそこに行動意欲の低下による消費カロリーの減少と薬理作用による食欲の増加が足されているので非常に太りやすい体質だということを認識する必要があります。

この状況を少しでも緩和するには辛い事かもしれませんが、過食を自分の意識で辞めること、意欲が湧かなくても健康のために少しでも運動をすることです。

そして最終的には病を治し立ち直る必要があるため、自分の意思をドクターに伝え病に支障が無い範囲で徐々に肥満原因となるお薬を減らしていく必要があります。

 

 

 

 

2.内分泌系疾患とダイエットの関係性

内分泌とはホルモン分泌のことで主に「視床下部・下垂体・甲状腺・副甲状腺・膵臓・副腎・清掃卵巣」から分泌されます。これらのホルモンを分泌する部位が異常をきたすと正しいホルモン分泌が行えない為、正しい代謝が起き難く痩せにくい場合があり、これを「内分泌肥満」と呼びます。

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内分泌肥満とは

脂肪を燃やす為に必要な代謝が「内分泌機関の異常」によって起こらないこと、あるいは起こり過ぎることを言います。

代謝は身体の内分泌機関から放出されるホルモンによって起こりますが、内分泌肥満の場合は内分泌機関が異常をきたし正しいホルモン分泌が起こらず「未分泌・異常分泌」が起こり正常な代謝反応が起こらなくなる病です。

もし正しい食事制限を行っても運動を頑張っても痩せない場合には病院でのホルモン検査を受けることをお勧めします。

 

 

 

ダイエットを阻害する内分泌系疾患

ダイエットの障壁となり減量にマイナスとなる内分泌に関する代表的な疾患と原因を説明させていただきます。

代表的な病には「甲状腺機能低下症・成長ホルモン分泌不全症・クッシング症候群」などがあり、いずれもホルモンの分泌が正常に行われない内分泌疾患となります。

 

甲状腺機能低下症

甲状腺の機能すなわち甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニンFT3)には「筋肉(骨格筋)でのエネルギー消費促進」「褐色脂肪細胞での熱生産(脂肪燃焼)促進」「白色脂肪細胞でもアドレナリン受容体増加(脂肪分解促進)」という日々の代謝を促す働きがあります。

しかし甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの分泌低下により「エネルギー消費の低下」「脂肪燃焼の低下」「脂肪分解の低下」が起こるため、太りやすく肥満に繋がってしまいます。

 

成長ホルモン分泌不全症

成長ホルモンは「脂肪の分解促進(HSL活性化)」「脂肪の燃焼促進(脂質代謝亢進)」という作用によって脂肪の燃焼を促してくれています

しかし成長ホルモン分泌不全症を発症すると成長ホルモンの分泌が低下してしまうため「脂肪の分解低下」「脂肪の燃焼低下」という脂肪が燃えにくい身体となってしまい痩せ難く太りやすい体質になってしまいます。

 

クッシング症候群

副腎皮質ステロイドホルモンコルチゾールが過剰に分泌されていしまうのが「クッシング症候群」という内分泌疾患です。

特徴としては顔が丸く満月のような輪郭を形成し体幹部を中心に脂肪を蓄えるので体型も丸くなります。

コルチゾールの影響によって脂肪の増加を促したり、インスリン分泌抵抗性を増加させることで中性脂肪の合成促進食欲増加作用によって太りやすい体質になってしまいます。

軽度のクッシング症候群は一般的な生活習慣病の特徴と見分けがつきにくいのも特徴です。

 

男性性腺機能低下症

男性ホルモン(テストステロン)には男性らしい体格を維持するのに必要なホルモンです。

テストステロンが減少することで体脂肪が増えてしまうことから男性性腺機能低下症による男性ホルモンの低下は肥満を招きます。

主な原因は「視床下部の下垂体系の異常によるFSH(卵胞刺激ホルモン)分泌障害・精巣自体の障害・前立腺がん治療薬(男性ホルモン阻害および低下)」となり、「男性更年期障害」は加齢が原因です。

 

女性性腺機能低下症

女性ホルモンには女性らしい体形を維持するために代謝を促し脂肪を小さく保つ働きがあります。

女性ホルモンのエストロゲンが減少することで女性らしい曲線美は失われ体脂肪が増加することから女性性腺機能低下症は肥満の原因となります。

主な原因は「視床下部の下垂体の異常・卵巣系の障害・抗エストロゲン薬(エストロゲンを低下させるお薬)」によるものと加齢による「女性更年期障害」です。

 

 

このように内分泌肥満と呼ばれる病の特徴は体内での生理活性物質であるホルモンの分泌に影響を与えることで正しい代謝が起こらないものがほとんどです。

上記に記述した疾患は代表的な物で他には「インスリノーマ・多嚢胞性卵胞症候群」などでも肥満に至る場合があります。

もしダイエットを行っても「全く痩せない」という結果に至る場合は一度ドクターに診察してもらうことをお勧めします。

それは、お薬を併用することで内分泌機能が正常に近くなり正しいダイエットを行えば痩せる可能性があるからです。

 

 

 

 

3.自己免疫系疾患とダイエットの関係性

自己免疫疾患とは免疫機能に支障(免疫過剰・免疫低下)が出る病です。自己免疫疾患を解りやすく説明すると守る役割を果たす免疫が過剰に反応し自分の身体を攻撃してしまう病です。ダイエットに影響し痩せ難い疾患は代謝に大きく関わる甲状腺の機能を狂わせる疾患です。

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自己免疫疾患から肥満になる場合

自己免疫疾患で肥満を招く代表的な疾患は甲状腺機能に影響を及ぼす「橋本病」と「バセドウ病」の2つです。

橋本病は甲状腺を自らの抗体で攻撃し甲状腺機能を低下させていく病で、甲状腺機能が低下することは代謝の低下を意味しますので、おのずと太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。

バセドウ病は橋本病とは真逆の症状で甲状腺機能を亢進させる病です。亢進とは過剰に進みすぎるということで、この場合甲状腺ホルモンが分泌され過ぎて代謝が上がり過ぎることを意味します。

バセドウ病は新陳代謝が上がり過ぎることでエネルギー消費が多くなり痩せられる方が多いですが、食欲も増加しますので消費と摂取のバランスが崩れた時に肥満を誘発します。

 

 

 

代謝に影響を与える橋本病

橋本病(慢性甲状腺炎)は自己免疫機能に異常をきたし身体を守る為の免疫機能である「抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)・抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)」が甲状腺を攻撃し慢性的な炎症状態になる病です。

橋本病には甲状腺機能が「正常の物」と「低下している物」の2つがありますが、正常の物でも疾患の特性上いずれは甲状腺機能が低下し代謝が下がり肥満を招きます

橋本病は女性に多く30代から60代で表れやすい症状で成人女性の30人に1人の割合で発症している言われています。

 

甲状腺機能正常の橋本病の場合

橋本病患者の約70%は甲状腺機能が正常と言われています。しかし橋本病を患っている場合は自己免疫機能異常により甲状腺の攻撃が徐々に進行する為、年齢を重ねるごとに甲状腺機能低下症を併発してしまいます。

その結果、甲状腺機能低下症と似たような状態となってしまうので代謝が大きく低下し太りやすく痩せにくい体質となってしまいます。

 

甲状腺機能低下症の橋本病の場合

橋本病患者の約30%は病の進行が進み、既に甲状腺機能低下症を併発していると言われています。

甲状腺機能が低下すると糖や脂質を代謝するために分泌される甲状腺ホルモンの分泌が低下し全身の基礎代謝が下がってしまい「太りやすく痩せ難い」状態になります。

甲状腺機能低下型の橋本病の場合何をやっても痩せることは難しい為、太らないように食事量をコントロールすることが重要です。

 

 

 

代表的な橋本病の症状

甲状腺を攻撃されているので甲状腺が腫れます。敏感な人ではのどに違和感を感じたり、食べ物が飲み込みにくいと感じるい方もおられるようです。

そして甲状腺ホルモンの分泌低下により、体内での脂肪や糖の燃焼による熱生産も低下するので体温が低く寒さに敏感になります。

食欲が無い(あまり食べていない)のに太ってしまうことや、便秘になりやすいのも橋本病の特徴ですので、これらの異常を感じたら医師に診てもらうことをお勧めします。

 

 

 

痩せない橋本病の治療

橋本病は甲状腺を自らの免疫機能の暴走で攻撃してしまう自己免疫疾患です。治療で大切なことは今以上に攻撃を促さないことです。

甲状腺への攻撃を促してしまう物に「ヨード」と呼ばれる物がありますが、ヨードは昆布やワカメなどにの海藻類に多く含まれています

日本の食文化は海産物や昆布ダシを多く食べるので、あらゆる食べ物にヨードが含まれています。

つまり橋本病では日々の食事からヨードを摂り過ぎないようにすることが先決です。

 

甲状腺機能正常の場合

厚生労働省が提唱する1日のヨード摂取量は、推奨値0.13㎎で上限が2.2㎎となっています。しかし日本人の平均ヨード摂取量は0.5㎎~3㎎となっており、厚労省の上限値を超えてしまっています。

このように我々日本人はヨードを摂り過ぎている環境下におかれていますので、橋本病の方には良くない環境なのです。

甲状腺機能が正常の橋本病の場合はヨードの摂取を制限し病の進行を抑えることがとても重要なことです。

 

甲状腺機能低下症の場合

甲状腺機能低下している橋本病の場合もヨードの摂取制限は作用機序を考えると必要です。

しかし既に甲状腺機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌が少ない状態になっている、あるいは甲状腺が破壊されホルモンの合成自体ができない状態もありえます。

その場合は病院で処方される甲状腺ホルモン剤を飲むことで足りないホルモンを補うことで症状は改善されます。

しかしお薬を飲んでも甲状腺自体が治ることは無いので飲み続ける必要があります。

 

 

 

代謝を亢進させるバセドウ病

甲状腺機能を低下させる橋本病とは対極を成すのが甲状腺機能亢進症と呼ばれるバセドウ病です。

バセドウ病は、甲状腺を刺激する異常な抗体(TSH受容体抗体:TRAb)が作られ、甲状腺刺激ホルモンの代わりに甲状腺を刺激し無制限に甲状腺ホルモンを作り続ける疾患です。

甲状腺機能が亢進してしまうので代謝が上がり過ぎてしまいエネルギーを消費し続けてしまうので「微熱・多汗・イラ立ち・動悸・体重減少」を招きます

痩せる人が多い一方でバセドウ病の30%の人は代謝より食欲が勝り太ってしまう人がおられます。

 

バセドウ病の症状

まず、首にある甲状腺が腫れ、目がぎょろっと出る「眼球突出」が起こったり、脈拍が健常者では1分間に60~90のところをバセドウ病では90以上の脈拍になることもおおく、過剰に鼓動する「動悸」がある人もおられます。

そして代謝亢進により新陳代謝が進み過ぎて「発熱・発汗」を起こしたり、皮膚が痒くなったりします。

安静時にも代謝は亢進されているのでエネルギーは消費され「疲れやすい」と感じる人も多いです。

 

バセドウ病の治療

代謝が亢進してしまうバセドウ病の治療には、甲状腺ホルモンを正常値に維持する治療を行います。

薬物療法「抗甲状腺薬」・アイソトープ治療「放射性ヨウ素治療」・手術「甲状腺の切除・甲状腺ホルモン剤」の3つの方法があります。

どの治療を選ぶかは、その人の「病状・年齢・性別・社会的状況」により異なり、医師の判断にゆだねられますので甲状腺機能に不安がある方は甲状腺に詳しい病院にて検査を行うことをお勧めします。

 

 

 

 

4.痩せない疾患とホメオスタシスの繋がり

恒常性(ホメオスタシス)を形成する「自律神経・内分泌・免疫」に関わり肥満を導く病が「太りやすく痩せにくい体質」を作ります。これらの疾患は疾患そのものが痩せない原因になるだけでなく恒常性を構成する重要なパートということを考えると1つの疾患が恒常性のバランスを悪化させてしまうことでも肥満に繋がるということです。

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ホメオスタシス全体を診る=最上級の代謝異常の改善方法

ホメオスタシス(恒常性)は「自律神経・内分泌・免疫」の3つのバランスを取り合って機能しています。

仮に内分泌系の疾患を患っとすると基本的には内分泌疾患に対し治療を行いますが、ホメオスタシスは各セクションでバランスを取り合っているので、内分泌にダメージがあると自律神経や免疫が内分泌の分もフォローするように働きかけているのです。

すなわちホメオスタシスの機能を全体的に診るならば内分泌の治療を行いながら自律神経や免疫にもアプローチするとより効果的だということなのです。

疾患による肥満は「自律神経・内分泌・免疫」の何処かのセクションに支障きたす事で起こりますがホメオスタシスのバランスが崩れることでも起こるので、疾患による肥満にアプローチするには疾患を診るピンポイントな治療と、繋がり関連しあうホメオスタシス全体を診る総合的なケアが重要となります。

 

 

 

食事でホメオスタシスをケアする

  • 自律神経系自律神経にとって良い食べ物は「乳製品・バナナ」です。牛乳やチーズなどの乳製品には、安息を促すセロトニン(別名:幸せホルモン)の原料となるトリプトファンが含まれています。そしてバナナはセロトニンの合成に必要な「トリプトファン・ビタミンB6・炭水化物」材料が全て含まれており自律神経系のケアには適した食材と言えます。


  • 内分泌系:内分泌機関から分泌されるホルモンは体内のコレステロールを原料として生産されています。しかし女性のダイエットにとって最も重要な女性ホルモン(エストロゲン)は加齢と共に減少してしまいます。女性ホルモンは増やす事ができないので食事から類似効果が期待できるイソフラボンを補う事が最善の方法とされています。


  • 免疫系:免疫を高める代表的な食べ物は「きのこ類・乳酸菌」です。シイタケやタモギタケなどのキノコ類にはβグルカンと呼ばれる免疫力を高める成分が含まれています。そしてヨーグルトや乳製品に含まれる乳酸菌は腸管免疫と呼ばれる病原菌やウイルスによる健康被害を予防をしてくれる免疫機能を高めてくれます

 

 

ホメオスタシスには睡眠がとても重要

睡眠は熟睡を指す「ノンレム睡眠」と覚醒の準備を指す「レム睡眠」の2種類の睡眠で構成されています。

そして「自律神経・内分泌・免疫」の3つの機能を高める睡眠がノンレム睡眠なのです。

ノンレム睡眠時には自律神経は休みつつ機能し、内分泌はホルモンを生産し、免疫は身体を細胞レベルで修復しています。

つまり質の良い睡眠は「自律神経・内分泌・免疫」の3つの機能をサポートする時間なのでホメオスタシスにとって、とても重要な生命活動なのです。

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 以上で「何をやっても痩せない原因となる病」に関する記述を終えさせて頂きます。

「自律神経・内分泌・免疫」に関わり代謝に影響を与える疾患を患ってしまうことでダイエットをどんなに頑張っても痩せれない方はおられます。

この場合、重要な事は痩せない原因となる疾患を見つけ早期にお医者様で治療を行うことと、恒常性の繋がりを考え恒常性全体をサポートしてあげることが代謝異常を改善する一番のポイントです。

もし、正しいダイエットを行っても痩せない場合は一度お医者様にて血液検査やホルモン検査を行うことをおすすめします。

お医者様に行く事で痩せない本当の原因が見つかり、あなたのダイエットに突破口が見つかるかもしれませんよ🌸

 

「睡眠不足は痩せない」不眠がダイエットに与える影響と改善方法

「寝つきが悪い・眠りが浅い・寝られない」などの寝不足や不眠を患っている方は太りやすく痩せ難い体質となってしまいます。睡眠は人間にとって生きる為に必要不可欠な生命活動の一部で、その睡眠に支障をきたすと身体の仕組みにより身体を守ろうとします。その機能の一部が身体の代謝を下げてエネルギー消費量を下げ、食欲を上げることでエネルギーをより蓄えようとするので不眠の方はダイエットを行っても痩せ難いのです。正しく痩せるにはまず眠りを改善し代謝を改善しましょう。

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この記事ではダイエットと不眠の関係性「仕組・環境・影響・改善方法」について皆様にシェアさせて頂きます。

 

 

目次

 

 

1.不眠に陥る仕組み

不眠に陥ってしまう原因は人間に元々備わっている睡眠の仕組みを阻害してしまうことです。睡眠を構築する仕組みには「概日リズム」と「睡眠の恒常性」があり概日リズムはその日1日の睡眠スケジュールを、睡眠の恒常性は眠る為のホルモン分泌を担います。これらの機能に支障が出た時睡眠障害になってしまうのです。

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人は本来自然に眠れます

人の睡眠は上記の通り概日リズムが1日の睡眠スケジュールを決定し、睡眠の恒常性が概日リズムの指示を行動に移すことで日々の睡眠は構築されます。

つまり本来人には自然に眠る為の仕組みが備わっているので眠れないということはどこかに異常があるということです。

 

概日リズムとは

概日リズムとは地球の24時間周期に人間が持つ25時間周期の体内時計を同調させるシステムです。

朝目覚めると共に概日リズムはリセットされ1日の睡眠スケジュールを決定します。

このリズムによって日が暗くなる頃から眠るための準備に取り掛かり「メラトニンの分泌」や「深部体温の低下」の支持を出し眠りに誘います。

 

睡眠の恒常性とは

概日リズムが睡眠の司令塔だとすると、実際に睡眠に関わるホルモン分泌などの身体の生理活性を担当するのが睡眠の恒常性(ホメオスタシス)です

睡眠の恒常性には日々の睡眠を促すホルモン分泌や体温調節を行うだけでなく、概日リズムによって得られた睡眠が不足した場合に不足分を補う為に働くフィードバック機能も有しています。

 

この「概日リズム」と「睡眠の恒常性」という2つの仕組みによって我々の日々の睡眠は構築されています。

更に詳しく睡眠の仕組みについて知りたい方は下の記事をご参照下さい。
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眠る仕組みの乱れが不眠の始まり

上記の通り人には概日リズムと睡眠の恒常性によって自然に眠れるのです。

しかし概日リズムが影響を受けることで眠りのスケジュールに狂いが生じたり、睡眠の恒常性に影響を受けることで生理活性が正しく行われないことで眠れなくなってしまいます。

 

概日リズムの乱れによる不眠

概日リズムに大きな影響を与えるものに同調因子というものがあります

同調因子には「光・食事・運動」などがあり、適切なタイミングで同調因子による刺激を受けることで概日リズムは機能します。

しかし、適切でないタイミングで同調因子による刺激を受けてしまうと概日リズムによるスケジュールに狂いが生じてしまうので不眠に繋がってしまうのです。

 

睡眠の恒常性(ホメオスタシス)の乱れ

睡眠のホメオスタシス、つまり恒常性とは「自律神経・内分泌・免疫」という3つの代表的な体内機関によって構築されています

睡眠の恒常性に大きな影響を与えるのが日常生活に潜むストレスです。ストレスはまず指令を伝達する自律神経に影響を与えます。

そうすると寝る為のホルモン分泌を行う内分泌が正しく働かなくなり不眠に繋がってしまうのです。

不眠などの睡眠の影響は「概日リズム」と「睡眠の恒常性」のどちらか、または両方にに影響を受けることで起こります。

更に詳しく不眠の仕組みについて知りたい方は下の記事をご参照下さい。

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加齢による不眠の仕組みと割合

生理活性的な不眠の仕組みとしては加齢によって眠る準備を行うホルモンのメラトニン分泌量が低下します。

具体的には10代から20代の思春期頃にはすでに低下しており、40代を迎える頃にはメラトニン分泌量のピークの1/5程度と少なくなるので中高年になると「寝つきが悪くなる・夜何度も目が覚める」などの睡眠障害が増えるのです。

さらに高齢になるとメラトニン分泌量低下に加え、睡眠不足や生活環境の変化による精神疲労の増加や退職などに伴う肉体疲労の減少も伴いより眠り難い条件が揃うことで不眠に陥りやすくなります

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2.不眠になりやすい環境

本来人間には自然に眠る為の仕組みが存在しています。眠れなくなるということは眠る為の仕組みを阻害してしまっているということです。そして眠る為の仕組みである「概日リズム」や「睡眠の恒常性」を阻害してしまうのは主に生活環境や生活習慣内に潜む覚醒因子とストレスなのです。

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概日リズムを狂わせる生活環境

概日リズムは同調因子という「光・食事・運動」などの覚醒をもたらす刺激と、本人の意思の影響を大きく受けます。

例えば寝る前に覚醒作用のある同調因子による刺激をうけると睡眠導入へのリズムが崩れたり、「今日はもう少し起きていよう」という本人の意思によってもリズムは乱れ寝つきが悪くなったり眠れなくなったりします

  • 生活リズム(意思)眠りを妨げる本人の意思の力は大きく簡単に概日リズムに影響を与え睡眠スケジュールを狂わせます
    睡眠への導入は起床にも大きく左右されますので夜眠くなった時は無理に夜更かしをせず身体の指示に従い眠ってしまう方が賢明です。


  • ブルーライト(覚醒):概日リズムは太陽光の影響を大きく受け覚醒を促します。日中眠くならず、日が暮れると眠くなるのは光が作用しているからです。
    しかし太陽光とほぼ同じ光にブルーライトがあり、ブルーライトは「PC・スマホ・LED照明・テレビ」などから発せられており、昼夜限らず我々は強い光を浴びていること同じ環境にいます。つまり文明の発達によるブルーライトによって概日リズムは狂い不眠に陥る方が増えているのです。


  • 食生活(覚醒)概日リズムは朝・昼・夜と規則正しい食事の摂取によってもコントロールされています。飲食に関わる同調因子で覚醒を促してしまうものにカフェインやアルコールがあります。
    これらの覚醒物質を寝る前に摂取してしまうと概日リズムを狂わせ眠れなくなることがあります。

JINS SCREEN

 

 

ストレスが睡眠の恒常性を狂わせる

概日リズムの支持を実行する睡眠の恒常性に大きな影響を与えるものにストレスがあります。

恒常性(ホメオスタシス)とは「自律神経・内分泌・免疫」の3つの体内機関から成り働いています。

しかしストレスの影響を受ける事で指令の伝達を担う自律神経の働きに影響が出てしまうため、自律神経からの指令を受けて眠る為のホルモン分泌などを行う内分泌にも影響が出てしまい不眠に繋がってしまうのです。

 

生活環境にまつわるストレス

日常的なストレスの原因の多くは仕事や学業などの人生を取り巻く生活環境に存在しています

学生には学生生活なりのストレスがあり、社会人には社会に出て責任を背負いながら仕事をするというストレスがあり、辛い思いをしている方もおられると思います。

 

人間関係にまつわるストレス

日常のストレスは仕事や学業などの生活環境だけではありません。

日常的に接する人とのつながりも付き合い方を間違えると大きなストレスとなります。身近な人間関係の代表格には「夫婦・恋人・友人・両親・親戚・仕事仲間・お客様」などがあり、ほぼこの人間関係内で人的ストレスは発生しています。

 

 

 

ダイエットが睡眠に与える影響

ダイエットを行うことで「寝つきが悪くなる・眠れない」などの睡眠障害が起こる方もおられます。

ダイエットにまつわる不眠の多くは食事制限から成り、今まで通り食べられないストレスや食事量が減ることによる概日リズムのスケジュールの変化によって今まで通りに眠れなくなると考えられています。

  • ストレスの蓄積:ダイエットに食事制限は付き物ですが、ここをきっかけ「食べられないストレス・楽しくないストレス・痩せられないストレス」などの好ましく無い方向へダイエットが進み大きなストレスを抱えてしまう人もおられます。


  • 栄養バランスの変化:食事制限の種類によっては今までの規則正しい3食の食事を減らす場合がありあます。
    この場合3食の食事からの栄養の摂取も概日リズムを刺激する同調因子となりますので、食事の回数が減ることで概日リズムが今まで通りに働かない可能性もあります

 

 

 

女性ホルモンと睡眠の関係

女性はプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲンという2つの女性ホルモンを有し生活しています。

エストロゲンは女性らしさプロゲステロンは母親になるためのホルモンとして機能し、生理前の時期となり排卵すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌によって起こる高温期は体温が通常よりも高くなります。

しかし、この体温の上昇に伴い睡眠導入のための深部体温も下がり難くなってしまうので寝つきが悪くなる場合があります。

この時期に睡眠の質が下がる事によって代謝を促すホルモンの分泌量も低下し太りやすくなる女性もおられます。

女性ホルモンについて詳しく知りたい方は下の記事をご参照下さい。

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3.不眠がダイエットに与える影響

「寝つきが悪い・眠れない」などの不眠に関連する睡眠の質の低下は身体の代謝を下げて、なおかつ食欲を増加させてしまいます。つまり太りやすく痩せにくい体質になって
しまうのでダイエットを行っても痩せ難く結果が出難い状態になります。

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不眠が作り出す肥満体質

睡眠は生命活動を維持する為に必要不可欠なものです。その睡眠状態が悪化することは健康状態の悪化を指し示します

健康が悪化すると身体を守ろうと行動しその守る行動が「エネルギーを貯める」ことなのです。

エネルギーを貯めるには消費を抑え、補給を促すことになり、それが「代謝を下げる=消費を抑える」「食欲の増加=補給を促す」という非常に太りやすい体質を作り出すことなのです。

  • 食欲を増加させるグレリンの分泌:睡眠状態が悪化すると身体を守る為に食欲を増加させようと身体が働きますが、その働きを促すのが食欲を増加させるグレリンというホルモンです。
    このグレリンの分泌によってエネルギー源の補給を促すパートを構築します。


  • 成長ホルモンの分泌減少による代謝低下:睡眠ステージⅢ~Ⅳの深い睡眠時に分泌され代謝を促すものが「成長ホルモン」です。
    しかし睡眠の質の低下や不眠によって成長ホルモンの分泌は低下しダイレクトに代謝を低下させます


  • 甲状腺ホルモンの分泌低下による代謝低下甲状腺ホルモンは脂質代謝を促してくれる代謝亢進の代表的なホルモンです。
    甲状腺ホルモンの分泌は睡眠中に分泌される甲状腺刺激ホルモンによって行われますが睡眠状態の悪化によって分泌は低下します


  • 性ホルモンの分泌低下による代謝低下男性ホルモンや女性ホルモンという代謝に大きく関わるホルモンは性腺刺激ホルモンによって分泌されます。
    しかし睡眠状態が悪化すると性腺刺激ホルモンを分泌する脳下垂体・視床下部が疲労し分泌に支障をきたします

 

 

 

不眠は太りやすく痩せにくい体質を作り出す

睡眠状態の悪化が招く身体を守るセーフティー機能によって「グレリン分泌:食欲増加」と「ホルモン各種分泌低下:代謝低下」という痩せ難く太りやすい状態を作出します。

このセーフティー状態では通常の正しい代謝反応が起こっていないといことになりますので、この状態で正しいダイエットを行っても正しく身体が代謝反応を起こしていないので痩せ難いのです。

 

 

 

 

4.痩せるための不眠の解決方法

眠りが浅かったり眠れないという不眠状態では痩せ難く太りやすい体質なのでダイエットを行っても上手く痩せることは難しいです。ダイエットで結果を出したいのなら生活リズムと生活環境を正し、睡眠の質や不眠を解決して痩せない代謝状態を改善する必要があります。

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まずは自然な睡眠を導入する

人は本来自然に眠りに付く仕組みを持っています。

自然に眠るには睡眠のスケジュールや指示を出す概日リズムを正常に働かせることと
眠るためのホルモン分泌を行う睡眠の恒常性を正常に働かせることです。

 

生活リズムを整え概日リズムを正す

概日リズムは「朝起床し朝日を浴びる事でリセット」され、「日が落ちた事を感知し眠るに付くたの準備を行う」体内時計です。

ポイントとしては「朝決まった時間に起きること・3食決まった時間にたべること・夜間に覚醒を促す行動は避けること」です。

概日リズムは日常の刺激をもとに睡眠スケジュールを決定する体内時計なので覚醒を促すブルーライトやカフェイン、アルコールなどの夜間(寝る2~3時間前)の摂取は控えましょう。

JINS SCREEN

 

 

日常のストレスを低減し睡眠の恒常性を正す

恒常性は「自律神経(指示伝達)・内分泌(ホルモン分泌)・免疫(防御機能)」の3つの体内機関で構成されています。

ストレスは自律神経に影響を及ぼすので眠る為のホルモン分泌を担う内分泌も影響を受けてしまいます。

ストレスは仕事などの生活環境や家庭などの人間関係から生まれるものなので、ストレス源となる環境や人間関係を今までより良好になるように努めることで日常生活に楽しさが生まれ日々のストレスは低減されます。

さらに詳しく良い眠りに付く方法を知りたい方は下の記事をご参照下さい。

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ダイエットのストレスを緩和する

ダイエットはなかなか減らない体重や食事制限によってストレスが溜まり寝つきが悪くなったりする方がおられます。

しかし一番大切な事はダイエットをストレス因子にせず減量を楽しむことです。そもそもダイエットがストレスになってしまう多くの方は痩せることを目的にしてしまっています。

ダイエットをストレスにしないポイントは何故痩せたいのかを明確にすることです。例えば「綺麗になりたいから痩せたい・健康になりたいから痩せたい・海に行くために痩せたい」など痩せて達成したい目標を持つことです。

そうすることで憧れ(目標)に近づくために必要なダイエットに対するモチベーションが高まり痩せていく過程が楽しくなります

大切なことは痩せることを目標にせず、「痩せてなりたい自分像」や「痩せて成し遂げたい事」を目標にすることでモチベーションを上げることなのです。

さらに詳しくモチベーションについて知りたい方は下の記事をご参照下さい。

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それでも眠れない時は

眠る為に生活リズムや食習慣を整え、生活環境でのストレスの低減に努めたとしてもなかなか睡眠状態が改善されないという人もおられると思います。

その原因はやはりストレスの改善が不十分かもしれません。その理由はストレスが生まれる環境や人間関係を早期に解決することは難しいからです。

しかし眠りは生命維持に必要な生命活動なので自然の物由来で身体にやさしい睡眠導入を促してくれるアイテムを使用するというのも一つの方法です。

ピースナイト

 

以上で睡眠不足とダイエットの関係性についての記述を終えさせて頂きます。

睡眠の質が悪かったり、ぐっすり眠れていない方がダイエットを行っても痩せにくいのは、睡眠に影響が出る事で起こる大きな代謝の低下が原因でした。

正しいダイエットを行って正しく痩せるには眠りを正す必要がありますので、ダイエット中の方や減量を考えている方は是非良質な睡眠が取れるように行動してみて下さい🌸

良質な睡眠がダイエットの効率を上げる「睡眠と代謝の関係性」

ダイエットと睡眠には切っても切れない関係があります。それは睡眠のサイクル中のノンレム睡眠、いわゆる「熟睡中」に代謝を促すホルモンが分泌されるからです。つまり質の良い眠りに付くことで科学的にダイエットに有利な状態を作り出す事ができ、逆に眠りの質が良くないとダイエットに不利な状態となってしまうので、効率の良い減量を実現するためにも質の良い眠りに付く行動を取ることはとても大切なことなのです。

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この記事ではダイエットの減量効率を上げる良質な睡眠の「効果・仕組み・方法」について皆様にシェアさせて頂きます。

 

 目次

 

 

 

1.睡眠と代謝の関係性

ダイエットに睡眠が重要な理由が、睡眠中(熟睡時)に成長ホルモンを代表とする代謝を促すホルモンを分泌したり生産を促す準備を行うためです。しっかりと眠れている人が太り難く痩せやすいのも代謝を促すホルモン分泌が正しく行われているからなのです。

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睡眠状態が良いと代謝が良い

睡眠には大きく分けてノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があり、ノンレム睡眠はさらにステージⅠ~ステージⅣにまで細分化されます。

睡眠はステージⅠ~Ⅳまでの4段階のノンレム睡眠後にレム睡眠を迎えるという5つの
ステージを繰り返しており、ノンレム睡眠のステージⅢ~Ⅳを心身ともに休まる熟睡状態といいます。

代謝に関係するダイエットに有利なホルモン分泌は熟睡域と呼ばれるノンレム睡眠のステージⅢ~Ⅳで行われ、この状態が正しく取れることを「良質な睡眠」と呼びます。

この熟睡状態が最も長く現れるのが入眠後(眠ってから)の3時間と言われ、この熟睡域を正しく取り入れるには人体に備わる眠る為の仕組みを正しく働かせ必要最低限の睡眠時間を確保する必要があります。

 

 

 

正しく眠るための条件

正しく眠る為の仕組みとして人間には1日の睡眠のリズムをコントロールする指示を出す「概日リズム」と概日リズムの指令を聞き実際に眠る為に働く「睡眠の恒常性(ホメオスタシス)」という指示・行動という2つの仕組みによって1日の睡眠はコントロールされています。

  • 概日リズム:1日24時間という地球の自転に合わせての睡眠スケジュールを決定するために備わる体内時計のことです。
    概日リズムは朝起床してから日常生活で得る「光・食事・運動」などの刺激(同調因子)によって睡眠スケジュールを決定し指示を出しています


  • 睡眠の恒常性:概日リズムの指令を受けて眠る為の準備(メラトニンなどのホルモン分泌や深部体温の低下)などを行うのが「睡眠の恒常性」別名「睡眠のホメオスタシス」と呼ばれる仕組です。
    睡眠の恒常性は睡眠の為の生理活性や概日リズムによって得られた睡眠の不足分を補うフィードバック機能としても働きます。

 

日々の睡眠は「概日リズム」と「睡眠の恒常性(ホメオスタシス)」が正しく機能する事で成り立っています。

更に詳しく睡眠の仕組みについて知りたい方は下の記事をご参照下さい。

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代謝を低下させる不眠原因

睡眠不足や不眠という睡眠障害は代謝を促すホルモンの分泌やホルモンの生産性を著しく低下させてしまうので、ダイエットにとってしっかりと眠ることはとても重要なことなのです。

なぜ「眠れない・寝つきが悪い」などの睡眠障害が起こるのかというと正しく睡眠に導くための「概日リズム・睡眠の恒常性」の2つの仕組みに「日々の生活習慣や環境」が悪影響を与え、狂いが生じ正しく働かないためです。

更に詳しく不眠の仕組みについて知りたい方は下の記事をご参照下さい。

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2.睡眠と代謝を促すホルモンの関係性

睡眠中のノンレム睡眠ステージⅢ~Ⅳの時に代謝に直接関係する「成長ホルモン」と「甲状腺ホルモン」が分泌されます。そして脂肪細胞を小さく保ち雌雄の体形を保つ「女性ホルモン(エストロゲン)・男性ホルモン(テストステロン)」の生産も睡眠に深く関わっています。

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脂質代謝を促すホルモン

食事から得た脂質や血液中にある脂肪の燃焼を促してくれるのが成長ホルモンや甲状腺ホルモンです。

これらの代謝に関わるホルモンは日々の食事から摂り過ぎたエネルギー源をエネルギー(ATP)に変換したり熱に変換することで燃焼しています。

  • 代謝を促す成長ホルモン:成長ホルモンは本来子供を成長させるために寝ている間に分泌されるホルモンです。子供がたくさん眠るのはこのためです。
    しかし大人になると成長では無く直接代謝を促すホルモンとして働きます。だから大人の肥満予防には睡眠が大切なのです。


  • 代謝を促す甲状腺ホルモン:甲状腺ホルモンは下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)の刺激によって分泌されるホルモンです。
    つまり代謝を促す甲状腺ホルモンを分泌するには甲状腺刺激ホルモンの分泌を促す必要があり甲状腺刺激ホルモンの分泌は睡眠中に促されるので睡眠は代謝を維持する為にもとても重要なのです。

 

 

 

脂肪細胞を小さく保つ性ホルモン

男性ホルモンや女性ホルモンの分泌を促すホルモンに性腺刺激ホルモンがあります

睡眠によって性腺刺激ホルモンの分泌を行う脳下垂体・視床下部が休まることで分泌部位が正常に働き男性ホルモンや女性ホルモンの分泌を促してくれます

その結果、日々の女性ホルモンや男性ホルモンは正しく分泌され雌雄の身体で正常に機能しています。

  • 女性らしい体型維持する女性ホルモン女性ホルモンのエストロゲンには女性らしい体型維持するために代謝を調節し脂肪細胞を小さくする働きがあります
    つまり女性ホルモンには代謝を高める効果と女性らしい美しい容姿を保つ働きがあり、女性ホルモンの分泌には睡眠が深く関わっているので睡眠をしっかり取ることはとても大切なのです。


  • 男性らしい体型維持する男性ホルモン男性ホルモンのテストステロンには男性らしい体型を維持するために筋肉の増加作用や代謝を高める働きがあります
    男性ホルモンの分泌があるからこそ男性らしい筋肉質な体格が形成されているので、男性ホルモンの分泌に深く関わっている睡眠を取ることはとても大切なことなのです。

 

 

 

 

3.正しく痩せるには良質な睡眠が必要

正しく痩せるとは痩せやすい体内環境を整えた上でダイエットを行うということです。睡眠不足や睡眠障害によって本来代謝を高めてくれるホルモン類が分泌されていない状態(正しい代謝が起こっていない状態)では痩せづらく太りやすい体質となるので良質な睡眠を取ることで代謝を整え痩せた方が効率も結果も良くなることは明白です。

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「睡眠」とはありとあらゆる生理活性の場

生理活性とは体内でホルモンや酵素などの生体内化学物質が体内の特定の調節機能に対して作用することです。

つまり成長ホルモンが代謝を促す事も、女性ホルモンが脂肪を小さく保つことも生理活性なのです。

生理活性は日常的に人の身体で起こっている生命現象ですが生理活性の原点とも言える脳下垂体や視床下部が生理活性物質の分泌を促したり休むことで生産性を上げるために必要な生命活動が睡眠なのです。

 

 

 

「痩せる」とは正しい生理活性を起こすこと

ダイエットを行っても痩せにくい人に多いのが睡眠に関し問題を抱えている人です。

逆によく眠れる人はダイエットを行っても痩せやすい人が多いのです。正しい代謝を促すには正しい生理活性が起こるように体内環境を整備する必要があり、生理活性をダイレクトに行う場と正しい生理活性を行う為に休む場として睡眠が必要なのです。

つまりダイエットを行って正しく痩せるには正しく眠ることで正しい生理活性(代謝)を起こす必要があるということです。

 

 

 

 

4.良質な睡眠に導くための生活リズム

眠りに付く仕組みは「概日リズムによる睡眠スケジュール→睡眠の恒常性による睡眠導入」となっています。正しい眠りに付くためにまず必要となるのが正しい概日リズムを刻める正しい生活習慣となります。その上で生理活性が行われるノンレム睡眠の質を上げることで良質な睡眠が得られるのです。

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良質な睡眠に必要な時間

睡眠に必要最低限の時間は6時間以上とされています。これは90分間隔でノンレム睡眠とレム睡眠が交互に出現し、このサイクルを4サイクルで良いとされており、その合計が6時間となるのです。

そして起床のタイミングですがノンレム睡眠とレム睡眠の交互サイクルの中でレム睡眠時に起床すると目覚めが良く不愉快な気分になることが少ないです。

これはノンレム睡眠が覚醒の為の準備段階の睡眠だからです。睡眠の必要量には個体差があるのも事実なので6時間で足りないと感じる場合は徐々に睡眠時間を延ばし自分に必要な睡眠時間を見つけることをお勧めします。

 

 

ノンレム睡眠の質を上げるために

睡眠に必要最低限の時間は6時間以上とされておりこれをクリアしないと質の良い睡眠は手に入りません

日本人の平均起床時間は6時37分で平均睡眠時間は6時間30分となっています。平均的な睡眠サイクルを考慮し逆算すると午前0時には睡眠していないといけないことになります。

睡眠時間を6時間以上を確保した上で睡眠の質を上げる為に必要な事が、正しく概日リズムを働かせるための「起床」・概日リズムを狂わせないための「覚醒の抑制」・深い眠りに付くための「入浴」となります。

  • 正しく起床(覚醒)する正しく眠る為には朝に正しく起床する必要があります。これは眠る為の睡眠スケジュールを決定し指令を出す概日リズムを正しく働かせるためで「朝起きる=太陽光を浴びる」ことで起床したと判断します。
    そこから体内時計で眠りに付く時間を計算し、夜暗くなると眠りに導くための「メラトニン」というホルモンを分泌するために正しく起床(覚醒)することが睡眠のリズムを作る上ではとても大切なことなのです。


  • リズムを乱す夜間の覚醒を避ける:朝正しく起床(覚醒)し眠る為の概日リズムを正しくリセットしたとしても、眠る準備を始める夜間に覚醒を導く行動を取ると概日リズムが正しく働かず寝つきが悪くなったり眠れなくなることがあります。
    覚醒を大きく促すものに「ブルーライト」や「アドレナリン」があり、夜間にブルーライトを浴び続けたり興奮しアドレナリンの分泌を促してしまうと概日リズムが狂い眠れなくなります


  • 最初の90分の質を上げる:睡眠は90分サイクルでノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しますが、最初の90分で成長ホルモン分泌など生命維持や代謝維持に関わる生理活性の70%を行うので眠り初めの90分の質を上げるとより効果的なのです。
    正しい起床、夜間の覚醒を避け正しい睡眠に導ける状態を作ったとします。
    その上でより良い寝つきに導くためには深部(内臓)の温度を下げる必要があり眠くなると手足が暖かくなるのは内臓の熱を手足を通して逃がしているためです。
    この現象の効果を上げるには寝る90分前に入浴し深部(内臓)体温を少し上げることによって温度の下がり方も大きくなるのでより深く眠ることができるのです。

 

 

 

概日リズムを狂わせる覚醒因子一覧

概日リズムに影響を与え覚醒を促すものを「同調因子」と言います。

同調因子は悪い物ではなく正しく起床(覚醒)し概日リズムをリセットするために必要な物です。

ただ覚醒を促してしまうので適切でないタイミングで同調因子による刺激を受けると夜寝付きが悪かったり眠れないことに繋がります

同調因子には様々なものがありますが、日常生活中に潜み概日リズムに大きな影響を与えるものが「光・食事・運動」なのです。

  • 光(太陽光・ブルーライト)太陽光(紫外線)の強い光は朝の覚醒に必要な同調因子です。太陽光に近い物にブルーライトがあり、この光は現代社会において「LED照明・パソコン・スマートフォン・テレビ」などの身近な電子機器から発せられています。
    つまり我々は昼夜に関係なく常に強い光にさらされておりこれは常に太陽光を浴びていることと身体は勘違いします
    その結果概日リズムが正しく働かず睡眠障害に繋がるので夜間のブルーライトはなるべく避け、どうしても浴びてしまう場合はPCメガネ等で対策しましょう。


  • 食事(覚醒物質の摂取):覚醒を促すのは目に入る光だけではありません。
    食事からによる覚醒物質の摂取も概日リズムに影響を与えてしまいます大きな影響を与えてしまう覚醒物質に「カフェイン」があり「コーヒー・緑茶・エネルギードリンク・チョコレート」に多く含まれています。
    そしてお酒に含まれるアルコールにも覚醒を促す作用がありますので夜間(最低でも寝る2時間前)のカフェインやアルコールの摂取を控えることで概日リズムが正常に働き寝つきが良くなります。


  • 運動(アドレナリンの分泌):運動を行うと疲れて眠くなると思っておられる方が多いと思いますが、激しい運動は交感神経が優勢となり興奮作用のある「アドレナリン」を分泌します。
    アドレナリンには覚醒作用があるので、夜遅くのジョギングやジムでの筋肉トレーニングなどの激しい運動は眠りを妨げる要因になってしまいます。
    正しく眠るには夜間の激しい運動は避け、明るいうちに運動を行い心地良い疲労感だけを残すと寝つきが良くなります

 

 

 

正しく眠りに付くための睡眠スケジュール

①朝規則正しく起きて朝日を浴びる

②1日3食の食事を規則正しい時間に食べる

③夜間のカフェインやアルコールなどの覚醒物質の摂取を避ける

④寝る前(直前)の激しい運動は避ける

⑤夜間の「スマホ・PC」はなるべく控えブルーライトを避ける

⑥夜間の「スマホ・PC」はナイトシフトモードに設定する

⑦夜間に「スマホ・PC」を操作する場合PCメガネを着用する

⑧夜間は生活に支障が無いレベルで光のトーンを落としメラトニン分泌を促す

⑨寝る90分前頃に入浴し深部体温を上げる

⑩寝ながら考え事はせず、何も考えないこと

 

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5.良質な睡眠に導くためのストレスケア

睡眠には概日リズムの指示を行動に移す「睡眠の恒常性」という眠りの仕組みが存在します。恒常性とは「自律神経・内分泌・免疫」の3つのシステムを健康を維持するために常にバランスを取るもので睡眠に導く時にも働いています。このシステムに大きな影響を与えるものにストレスがあり、ストレスを上手にケアすることで眠りを妨げず深く
良質な睡眠を取ることができるのです。

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日常的なストレス対策

ストレスは日常に潜んでいるもので、その多くは置かれている生活環境や対人関係により発生しています。

生活環境や対人関係のストレスは主に、状況が良くない場合に発生しますので、ストレスのケアには「逃げる」ことと「改善する」ことの2つが考えられます。

しかし、逃げても大きく環境を変える事は難しいので可能であれば個人の努力によって環境や人と向き合いより良い方向に改善するように行動することで充実感や達成感が生まれ、結果的により良い人生を歩むことができるのでストレスは低減されるでしょう。

 

生活環境を楽しむ

日常的なストレスの原因として仕事や学業などの人生を取り巻く生活環境が大きなウエイトを占めます。

学生には学生生活なりのストレスがあり、社会人には社会に出て仕事をするというストレスがあり、辛い思いをしている方もおられると思います。

しかし、その環境を卑下し逃避するのではなく、ご自身がおかれている環境に対する仕事や学業を思い切り楽しめるように行動することで充実感が生まれストレスは低減されます。

  • 学生生活:「中学・高校・大学」という学生期間で大きなストレスとなるものに「学業」や「孤立」などがあると思います。
    学生期間のストレスを低減させるには学生生活の「勉学」に励み「対人関係」を思い切り楽しむことです。
    塞ぎ込むのではなく勇気を出して向き合うことで、予想もできない良い友人と出会えたり学ぶことの楽しさに出会えたりします。


  • 社会人生活社会に出て働いている大人は皆それなりにストレスを抱えているものです。
    それは仕事を通し各々に「責任」が生まれることで甘えが許されない厳しい世界だと感じるからなのです。
    しかし、責任を背負うことでその仕事に対する使命を感じ成功を目指して本気で取り組むことができれば、同じ責任を背負っている仕事仲間とより良い関係が築け、結果も伴うことで自信が付き仕事が楽しくなります。


  • 定年後の生活:仕事をバリバリこなして、充実感のある社会人生活を送った後に待っているのが定年後の生活です。
    定年後にストレスを抱えてしまう多くの方が時間を持て余し何をすれば良いのか分からないとい状況に陥ります。
    その場合、まだ働けるのであれば次の職を探したり、奥様と旅行に行きまくったり、自分の趣味に没頭したりと社会人ではできなかったことに時間を使うことで第二の人生を楽しみましょう

 

より良い人間関係を築く

日常のストレスは仕事や学業などの生活環境だけではありません。日常的に接する人とのつながりも付き合い方を間違えると大きなストレスとなります

身近な人間関係の代表格には「夫婦・恋人・友人・両親・親戚・仕事仲間・お客様」などがあると思います。

人間関係のストレスを無くすにはその人と向き合いより良い人間関係を築けるように行動すると互いのシナジー効果によって対人関係は改善されストレスは低減されるでしょう。

  • 夫婦・恋人:男女の人間関係に代表されるのは夫婦と恋人です。夫婦では長年連れ添いお互いの良い所も悪い所もほぼ全て見えており、長い時間を経てすれ違いなどが起こり夫婦生活にストレスを抱えている家庭も多いでしょう。
    恋人同士ではお互いのことがまだわからなくて手探り状態で時にはぶつかることもあるものです。夫婦も恋人も元は互いに好きな者同士なので初心に帰り相手を思いやることでより良い男女関係が生まれストレスの低減ができるはずです。


  • 友人・知人:友人や知人との関係も様々で良きものから良く無いものまで存在します。良き友とぶつかってしまう場合はぶつかった原因を深く考え、もう一度向き合い話し合うことで友人との絆はさらに深まるでしょう。
    良くない友人との付き合いでストレスが溜まる場合は関係を解消することが一番の解決策です。
    つまり自分にとっての友人・知人の人間関係の良し悪しを考え良い場合は良い方向に、悪い場合は付き合わないことで不要なストレスは低減されます。


  • 親戚・両親両親や親戚など身内関係のストレスの多くは「心配がお節介に繋がる」ことと単純に「ややこしい親戚」の存在だと思います。
    心配されて口うるさく言われる場合には心配しなくても大丈夫だという姿と根拠を示し理解を得る事が重要です。
    ややこしい親戚の場合大抵自分よりも下に見ていることが多いので論理的な意見を言い自分が上だということを示しましょう。
    つまり両親や親戚からのストレスを低減するには相手に自分のことを理解してもらうことでかみ合わない人間関係を卒業することです。


  • 同僚・顧客:同じ会社の「上司・後輩」や会社の「顧客」という仕事上の人間関係で発生するストレスは大きなものです。同僚間でのストレスの多くは上司との関係によるものが多く互いの価値観や仕事に対する結果によって発生しています
    価値観の違いの場合はお互いに納得がいくまで話し込み理解を深めることで改善でき、結果にまつわる場合は結果を改善する必要があります。
    顧客の場合は顧客に役立ち利益をもたらす存在となる事でその企業からは重宝される存在となることで仕事上での人間関係が楽しくなります。

 

 

 

心残りを無くすということ

ストレスというのは極論、「解らない事・気になる事」などに対し答えを求めて発生する「心残り」から生まれるものです。

逆に言うとストレスからの解放は自分なりに答えを見つけて「心残りを無くす」ということです。

ストレス源となる生活環境や人間関係も蓋を開ければ「何故?」という疑問や気になる事から発生していると私は考えています。

つまり一日を気持ちよく終えるには、今ある「心残り」を大きい物から解決することで安心感に繋がりその安心感が心地良い眠りに繋がるのです。

 

 

 

ストレスを発散し解消する

ストレスの低減は上記の生活環境や人間関係の改善に努めることで成し得ますが、時間がかかることも事実です。

その為、日常的なストレスの発散も大切なことになってきます。ストレスの発散に大事なことは自分の好きな事を行い楽しむ時間を作ることゆっくりと時間をかけてリラックスすること心の重荷を話し悩みを打ち明けることです。

  • 平日の過ごし方:平日にお仕事をされている方がほとんどだと思います。つまり自由な時間が少なく、生活という日常業務に時間を割く必要があります。
    しかし平日でも少しの時間でも自分の好きな事や心が晴れることを行うとストレスの蓄積は低減されますので、少しだけリラックスできる時間を設けるように心掛けて下さい。


  • 休日の過ごし方休日は平日に比べると自由な時間が多いです。独身の人はほぼ自由時間ですので、自分の好きな事に時を忘れて没頭したりどこかへ遊びに行って思い切りストレスを発散しましょう。
    既婚者の場合はご家族みんなで楽しんだりたまには自由時間をもらってストレスを発散しましょう。

ストレスの発散で大切な事は、ストレスの要因になっている悩みや気になる事を永遠と考えていてはダメだということです。

もちろん原因となる心残りを解決するのがストレスケアの本質ではありますが、どうにもならないこともあります。

そんな時は開き直って、心残りを忘れるように何か違う事に思考を使うと効果的です。

 

 

 

 

6.ダイエットの効率上げる良質な睡眠を導く方法まとめ

睡眠には代謝を促す様々なのホルモンの生産に深く関わっている生理活性の場となるのでダイエットにはとても重要なのです。つまり質の良い睡眠がしっかりと取れればダイエットにとってアドバンテージとなるのです。正しく痩せるには正しい眠りも必要となり、正しく眠る為には正しく「概日リズム」を働かせることと、正しく「睡眠の恒常性」を働かせることです。

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概日リズムを正しく働かせる

概日リズムを整え正しく働かせるには規則正しい日常生活を送り適切なタイミングで同調因子による刺激を受けることが最も重要なことです。

そして最もやってはいけないことが夜間(就寝2~3時間前)の「ブルーライト・カフェイン・アルコール」などの同調因子による覚醒です。

この覚醒が概日リズムを狂わせてしまうので上記の「正しく眠りに付くために睡眠スケジュール」を参考に行動して下さい。

JINS SCREEN

 

 

睡眠の恒常性を正しく働かせる

睡眠の恒常性(ホメオスタシス)は実際に眠りに付くための生理活性(ホルモン分泌)を行ったり概日リズムによって得られた睡眠の不足を補うためのフィードバック機能です。

実際に我々が眠れるのはこの機能が眠る為の生理活性を行ってくれているからです。

しかし恒常性はストレスの影響を色濃く受けるので正しく機能させて眠る為にはストレスの低減は必要不可欠なので上記の「ストレスケア」を参考に行動してみて下さい。

どうしてもストレスで眠れない場合にはストレス緩和が期待できるGABAやテアニンを摂るのも一つの方法です。

ピースナイト

 

 

 

以上で良質な睡眠とダイエットの関係性についての記述を終えさせて頂きます。

睡眠は疲労回復の為とお思いの方も多いと思いますが実は、様々なホルモン分泌を行い代謝にも直接かかわってくるというダイエットにとっても関係がある生命活動なのです。

ダイエットの成功に代謝を促してくれる良質な睡眠は必要不可欠となりますので、是非皆さまもぐっすり眠れるように睡眠スケジュールを組み立ててみて下さいね🌸

睡眠の仕組を徹底解説「ダイエット野郎健康記事」

人が眠る理由は脳や身体を休めて生命を維持するためで、眠る仕組みは身体に備わった体内時計と環境の刺激によって24時間周期で睡眠と覚醒を繰り返すようにできています。そして眠っている間に身体や脳を休め、身体の修復や代謝に必要なホルモン分泌など生命維持に必要不可欠な化学反応を起こしているのです。そのため脳を持つすべての生物には自然に眠る仕組みが身体に備わっているのです。

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この記事では睡眠のに関する「意味合い・仕組み・健康効果」について皆様にシェアさせて頂きます。

 

 

 目次

 

 

 

1.眠る理由(睡眠の意味)

睡眠を必要とする理由は脳と身体を休め生命を維持する為です。3大欲求と呼ばれる「食欲・睡眠欲・性欲」の本能行動の内、食と睡眠を欠けば生物は死んでしまいますし、餓死よりも無睡眠による死の方が早いという実験結果が存在するぐらい生きる為に必要なものが睡眠なのです。

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生命を維持するための睡眠

  • 心身の休息(自律神経):睡眠によって脳が休まることで支配下にある「神経・組織・機関」も休む事になります。脳や神経を心とすると身体は組織(細胞)や器官(内臓)となり睡眠は文字通り「心身」を休ませる生命活動の一部であり本能行動なのです。


  • 身体を作る時間(内分泌):睡眠は身体を休める時間でもあり、同時に身体を作る時間でもあります。睡眠中には成長ホルモンを始めとする日墓の身体の代謝反応(生命活動)をサポートする為のありとあらゆるホルモン分泌(生理活性)を行う大切な時間なのです。


  • 細胞レベルでの修復(免疫):睡眠時は心身ともに休まりますが睡眠中全て休んでいる訳ではありません。日々の活動で傷付いた組織や器官を免疫力や自然治癒力を活発に活性化し修復する時間でもあるのです。その結果日々の健康は睡眠から作られているのです。

 

 

 

 

2.眠りにつく仕組み

人が睡眠に付くには大きく分けて2つのシステムが関与しています。1つが体内時計や概日リズムに影響される時刻依存性の睡眠と2つ目が体内時計や外界の刺激に影響されない時刻非依存性の睡眠です。この2つの睡眠機構が互いに相関することで1日の睡眠「量・質」をコントロールしているのです。

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時刻依存性の睡眠

概日リズム(サーカディアンリズム)による睡眠の事を指します。

概日リズムとは地球24時間周期の自転に伴う日周に生物時計によって同調する時刻依存性のリズムです。

1日単位でリズムは毎日リセットされ外界や食事などの生活から与えられる刺激によって睡眠をコントロールする未来を想定した睡眠プログラムです。

 

 

 

概日リズムによる睡眠を構成するもの

概日リズムは地球の24時間周期と約25時間周期の体内時計の周期を外界の刺激(同調因子)によって24時間周期に毎日セットするものです。

概日リズムによって睡眠をコントロールするものに「深部体温リズム・メラトニン分泌リズム・睡眠-覚醒リズム」の3つの体内時計が関与し日々の眠りを作り上げているのです。

 

体内時計の同調因子

人の身体には概日リズムが無くても睡眠と覚醒を行う為の体内時計「深部体温リズム・メラトニン分泌リズム・睡眠・覚醒リズム」が備わっていますが、24時間周期で明暗を迎える地球で生活する上で外界の刺激による概日リズムと連動し睡眠周期をコントロールしているのです。

その約24時間周期の概日リズムをリセットする刺激を同調因子と呼び主に「光・食事・運動」などがあり特に光による刺激が概日リズムに影響を与えます

 

深部体温リズム

人は眠りにつく時に手足が暖かくなります。これは身体の深部(内臓)の温度を手足から逃がすことで温度を下げ眠りにつくためです。

この深部(内臓)の温度を下げる仕組みを深部体温リズムと言い概日リズムと連動して制御されています。

 

メラトニン分泌リズム

朝起床して朝日を浴びることで1日の睡眠リズムのコントロールが始まります。

朝に日光を浴びた時間によって夜眠りにつくためにメラトニンというホルモンの分泌をコントロールするものがメラトニン分泌リズムです。

 

睡眠・覚醒リズム

24時間周期の概日リズムの影響が無くても人はほぼ同じ周期で睡眠と覚醒を行えます

これは人の身体に「睡眠・覚醒リズム」という体内時計があるからで、本来は外界の刺激による概日リズムと連動して睡眠をコントロールしています。

 

 

 

時刻非依存性の睡眠

ホメオスタシス(恒常性の維持)による睡眠を指し別名「睡眠の恒常性」とも呼ばれます。ホメオスタシスとは「自律神経系・内分泌系・免疫系」の各機関がバランスを保つことで身体の健康状態を一定に保つ体内の仕組みです。

睡眠の恒常性は本来、概日リズムによって得られた睡眠の不足分を補う為の睡眠システムなので時刻に依存せず1日の睡眠結果を振り返り必要な睡眠を回収するという睡眠システムです。

例えばテレビを夜中まで見てしまい概日リズムによる睡眠が乱れ夜更かしすると翌日日中眠くなるのはこの仕組みが働くためです。

 

 

 

ホメオスタシスによる睡眠を構成するもの

ホメオスタシス機構は「自律神経・内分泌・免疫」をコントロールし身体を健康に保つシステムです。

睡眠で言えば「ホルモン分泌」を担い生理的に眠る為に働きます

概日リズムによって睡眠の指令が出ている時も指令を受けて実際に睡眠導入を行うのは「自律神経(指令の伝達)→内分泌(ホルモン分泌)→免疫(細胞の回復)」というホメオスタシス機構なのです。

 

眠るためのホルモン分泌

脳下垂体から睡眠に関し眠りに導くホルモンであるメラトニンの分泌を促します

メラトニンには「脈拍・体温・血圧」を降下させる働きがあり、この身体の機能を休める作用に伴い睡眠に導きます

 

睡眠を阻害する覚醒物質の抑制

概日リズムによる睡眠の指令を阻害してしまう
「ノルアドレナリン・セロトニン・ヒスタミン・アセチルコリン・オレキシン」などの覚醒を維持する神経伝達物質をGABA作動性神経が抑制します。

 

 

 

 

3.睡眠中に体内で起こる効果

睡眠には大きく分けて2種類の質の違う睡眠状態が存在します。1つが通称「深い眠り」と言われるノンレム睡眠と呼ばれ身体や脳を休める為の睡眠となり、2つ目がレム睡眠と呼ばれる浅い眠りで起床に伴い脳を覚醒させるのための睡眠です。人の眠りは通常2種類の睡眠で構成されています。

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睡眠の種類(ステージ)

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の2種類が存在しそれらがある一定の感覚で交互に起こっています。

そしてノンレム睡眠には4段階のステージが存在し段階が上がる事に眠りは深く脳や身体にとって重要な生理活性が起こる大切な睡眠段階なのです。

つまり眠るとはノンレム睡眠の4ステージ後にレム睡眠が発生するというサイクルを繰り返すことで睡眠という生命維持に必要な生理現象を構成しているのです。

 

ノンレム睡眠
  • ステージⅠ:傾眠状態で本格的な睡眠に導くための状態で、うとうとしたり、意識が失われる段階です。


  • ステージⅡ:睡眠紡錘がみられ、軽い寝息を立てる中程度の睡眠状態となります。


  • ステージⅢ:低周波のΩ波が見られ(20%~50%)、深く寝入った状態となるので外界の刺激にも反応し難い睡眠状態です。


  • ステージⅣ:低周波のΩ波が50%以上の状態でノンレム睡眠の中で最も深い段階で、熟睡とはこの段階のことを言います。

 

レム睡眠
  • レム(REM)とは:急速眼球運動rapid eye movement(REM)が見られる状態の事で、エネルギー消費量も覚醒時に近いです。


  • レム睡眠の質:睡眠の深さで言うとかなり浅い状態で僅かな外界の刺激にも反応し目覚めやすい状態です。

 

 

 

ノンレム睡眠(熟睡)時に起こる効果

ノンレム睡眠中のステージⅢ~Ⅳにかけて成長ホルモンの分泌を促し子供では身体の発育を促し大人では成長ホルモンによる代謝を促しています

そしてこの睡眠段階では同時に免疫力も増強され細胞レベルでの身体の修復が行われるのです。

例えば風邪をひくと眠気が起こり寝ても寝ても目が覚めないことがありますが、これは睡眠によって身体の免疫力を上げて回復させるための身体の仕組みなのです。

 

 

 

レム睡眠時に起こる効果

レム睡眠にはステージがありません。そして目が動いたり、体温が上がることでエネルギー消費量も増えている状態です。

レム睡眠時の身体は覚醒状態に近い状態となっており目覚ましや外界の刺激に左右されないで目が覚めるタイミングもレム睡眠時が多いのです。

つまりレム睡眠とは回復のためにノンレム睡眠から本格的な覚醒(起床)へと橋渡し的な役割を果たし脳が目覚める為の睡眠領域なのです。

 

 

このように睡眠時に身体では様々な反応が起きており、睡眠も立派な生命活動なのです。つまり生きる為に睡眠は必然であり自然なシステムなのです。

 

しかし文明の発達と経済が発達した現代社会では、身体に眠る為の仕組みが備わっているにもかかわらず「眠れない・寝つきが悪い」といった睡眠障害に悩んでいる方が多数おられます。

なぜ現代社会が睡眠を阻害してしまうのかというと文明が発達し生活の利便性が向上したり「テクノロジーの進歩による概日リズムの狂い」と、経済を成長させるために身を粉にして働いてきた「ストレスの蓄積が睡眠の恒常性を狂わせている」ことの2つがが大きな原因なのです。

不眠についてさらに詳しく知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

以上で睡眠の「意味・仕組み・効果」に関する記述を終えさせて頂きます。

睡眠は生きる為に必要不可欠な生命活動の一部です。しかし現代社会は多忙で睡眠時間を削るといった睡眠を軽視しがちです。

睡眠の仕組みが解ることで睡眠への理解も深まり、皆様のより良い睡眠に繋がると幸いです🌸

不眠の仕組みと改善方法「ダイエット野郎健康記事」

脳を持つすべての生物には地球の自転に伴う24時間周期で眠る為の仕組み(概日リズム)が備わっています。概日リズムが眠るための指令を出しホメオスタシス「自律神経・内分泌・免疫」が働く事で実際に眠り、睡眠中に心身の休息と回復が行われているのです。しかし眠る為の仕組みがあるにもかかわらず不眠の方が沢山おられる大きな理由は経済と文明の発展によって眠るスケジュールを作る体内時計や眠る為のホルモン分泌などの仕組みが狂い正確に機能しないからなのです。

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この記事では不眠に関する「眠れない仕組み・健康に与える影響・自然な改善方法」について皆様にシェアさせて頂きます。

 

 目次

 

 

 

1.不眠に陥る仕組み

現代の社会や経済の目覚ましい発展は睡眠を犠牲にして働いて来た我々人類の歴史でもあります。つまり現代社会で睡眠障害(不眠)の人が増えているのは自己犠牲(ストレス)の果てに富を得て、科学や技術の発展により生活がより便利になることでリズムを司る体内時計が狂うという2つの要因で不眠を形成しているのです。

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睡眠を構築する仕組み

私達の日々の睡眠は1日の睡眠スケジュールを決定する「概日リズム」による時刻依存性の睡眠と概日リズムによる指令の実現と不足分を補うための「睡眠の恒常性」という時刻非依存性の2種類の睡眠システムによりコントロールされています。

わかりやすく説明すると概日リズムが「未来の睡眠(今日の睡眠)」スケジュールを定め、恒常性(ホメオスタシス)が「過去の不足分を補う睡眠(昨日の睡眠)」をコントロールしているのです。

しかし現代社会ではこの2つの睡眠の仕組みが崩れやすい環境が整っているために睡眠不足や不眠症・睡眠負債といった睡眠障害が起こりやすいのです。

更に詳しく「睡眠の仕組み」について詳しく知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

 

不眠を構成する仕組み

正しい時間に眠れない、眠りが浅いといった「不眠」症状を作り出してしまう原因は1日の睡眠スケジュールを決定する「概日リズム」が狂ってしまうことと、睡眠不足を取り返す「睡眠の恒常性」が狂いお互いのシステムが正しく機能しないことが原因なのです。

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概日リズムが乱れる

現代社会での私生活はテクノロジーの発展により「LED照明・パソコン・スマートフォン」などのブルーライトを発生させる機器と常に密接な関係にあります。

ブルーライトの光の強さは太陽光の強さと同等で身体は常に太陽の光を浴びていると認識します。

本来人間が眠りにつく仕組みとして起床後朝日(太陽光)を浴びる時間によって夜の就寝へのリズムをホルモン分泌によって整えるという概日リズムが働いてのですが、現代社会では電子機器の発展により日夜関係なく太陽光と同等のブルーライトを浴びています

この常に太陽光にさらされている常に明るい環境が起床から就寝までのリズムを決定する概日リズムを狂わせてしまい、夜「眠気が起きない・寝つきが悪い」という睡眠障害を引き起こしているのです。

 

ホメオスタシス機構が乱れる

現代社会はストレス社会と言われています。現代人は子供から大人までそれぞれの生活環境下で常にストレスにさらされており、様々なストレスを受けることで眠るために必要な神経伝達やホルモン分泌機構が正常に働かなくなります

現代人はテクノロジーの発展による概日リズムが狂い「未来の睡眠」が上手く取れない
環境下にいながら睡眠不足を取り戻す為のホメオスタシス機構による睡眠もストレス環境下で正常に働かない状態にあります。

つまり現代社会の大きな不眠の原因は「概日リズムの狂い」と「ホメオスタシス機構の狂い」による未来の睡眠と過去を清算する為の睡眠のどちらも取り難い環境によるものなのです。

 

 

 

不眠の原因一覧

不眠を構築する原因のほとんどは1日の睡眠のリズムを作り出す「概日リズム」に影響を与えるものと、概日リズムによる睡眠をサポートするホメオスタシス機構に影響を与えるものの2種類です。

概日リズム(体内時計)に影響を与える物は「覚醒因子」であることが多く、ホメオスタシス機構に影響を与える物は「ストレス因子」であることがほとんどです。

 

概日リズムに関与する不眠原因

概日リズムは1日の睡眠スケジュールを決定するシステムで、スケジュールの決定に「太陽光・食事・運動」などの同調因子の刺激が関与しています。

特に覚醒を維持する因子「光・食べ物」に強く影響されるのでこれらの同調因子が不適格なタイミングに作用すると概日リズムによる体内時計が狂い睡眠スケジュールが狂ってしまいます。

  • 覚醒作用:覚醒を促してしまう食べ物(成分)やシグナル(光)などの同調因子を不適切な時間(夜間)に刺激として受け取ってしまうと概日リズムに狂いが生じ睡眠に必要なメラトニンの分泌や深部体温の低下などが起きなくなる為、「夜眠れない・寝つきが悪い」という睡眠障害を引き起こしてしまうのです。


  • 老化現象:人は年齢を重ね老いていくと徐々に眠りが浅くなります。例えば老人になると起床時刻が早まってしまったり、何度も夜目覚めてしまうことです。これは加齢によって体内時計に狂いが生じる為、概日リズムによる正確な睡眠プログラムが働かなくなるため起こる現象です。

 

ホメオスタシス機構に関与する不眠原因

ホメオスタシスは自律神経を通して「内分泌・免疫」をコントロールしています。

つまり自律神経が正確に働かなければ眠る為に必要なホルモン分泌を行う内分泌も正常に機能せず眠れない為免疫も正常に働かないということになります。

すなわちホメオスタシスを正常に働かせるには自律神経が重要となりますが、自律神経に大きな影響を与えるのがストレスなのです。

  • 精神的作用恒常性(ホメオスタシス)に大きな影響を与えるものにストレスがあります。ストレスは体内で指令の伝達を行う自律神経の働きに影響を与えるえてしまいます。
    つまり「ストレスによる自律神経不調→内分泌機能低下→ホルモン分泌低下」となってしまうの


  • 性ホルモン:人には雌雄を分ける性ホルモンが存在します。男性にはテストステロン、女性にはエストロゲンに代表されるホルモンがあり、ホルモンが豊富な時は体調も良いですが、加齢によりホルモン分泌が低下すると更年期症状が起こり体調悪化による身体へのストレスも増加します。
    つまり「加齢による性ホルモン低下→更年期による身体へのストレス→内分泌低下」となってしまうのです。


  • 体温調節:恒常性の維持という言葉の通りホメオスタシスは身体を健康な状態に保つ働きがあります。しかし普段から身体が冷えている「冷え性」の方はホメオスタシスの体温調節機能が正常では無いと言えます。
    特に手足が冷える「末端冷え性」の方は深部体温が下げにくいので寝つきが悪いのです。つまり「冷えによる熱放出の悪化→深部体温が下がらず眠気が起きない」となってしまうのです。

 

 

 

時間に縛られる現代社会が不眠の連鎖を生む

現代社会には概日リズムを狂わせる「LED・パソコン・スマートフォン」から発せられるブルーライトに常にさらされており1日の睡眠スケジュールが狂い夜に正しく眠り難い環境です。

寝る時間が遅い場合には本来ホメオスタシス機構が働き睡眠時間がずれ込み足りない睡眠を回収しますが、現代社会では時間に縛られ決まった時間に起きなければなりません

つまり常日頃時間に縛られているので概日リズムの狂いによる睡眠不足を回収することができず日々睡眠不足に陥ってしまうケースが多いのです。

 

 

 

睡眠負債は現代病

上記のような現代社会の時代の流れによって不眠の連鎖に巻き込まれ、常に眠る時間が少なかったり、睡眠時間が安定せずバラバラという人は多いと思います。

この慢性的な睡眠不足が継続すると不思議と眠りたい時にすぐに寝られるようになります。これは睡眠不足が蓄積し過ぎて、本来睡眠中に行わなければならない「心身の休息・免疫による回復」が追い付いていない為、たまった仕事を片付けるために空いた時間は睡眠に回すという身体の救済システムなのです。

この状態を「睡眠負債」と呼び、健康を崩しやすく危険な状態で、アルツハイマー病やがんの発症リスクが高まると報告されています。

 

 

 

 

2.不眠が健康に与える影響

不眠による直接的な健康被害は本来睡眠時に増強される免疫力の低下と疲労蓄積による自然治癒力の低下です。社会的な影響で言えば疲労の蓄積による脳の働き(思考)の低下による生産性の低下となります。そして不眠の状態では身体を守ろうと働くため、食欲が旺盛になり間接的に肥満の大きな原因とも成り得るのです。

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睡眠不足の直接的な健康被害

不眠になると本来寝ている時に身体を休めることができないことと、睡眠時に強く働く免疫作用の低下により身体は無防備な状態となり疲れやすく体調を崩すしやすくなります。

 

免疫力の低下

本来であれば睡眠中に日々の生命活動で傷付いた身体を細胞レベルで修復するために免疫力が増強されます。

しかし「眠れない・眠りが浅い」などの睡眠不足に陥ってしまうと免疫による回復の時間が取れないことになり、完全な修復ができなくなります。

 

自然治癒力の低下

睡眠不足によって免疫による回復の時間が減り、修復が不完全になったとしても日々の生命活動は継続しなければなりません

つまり修復の遅れを活動中に行わなければならず、免疫機能が疲労し徐々に免疫力が低下してしまうので、慢性的に睡眠不足の方は体調を崩しやすいのです。

この睡眠不足による疲労の蓄積と免疫力の低下が「自然治癒力の低下」に繋がってしまうのです。

 

 

 

睡眠不足による間接的な肥満

ダイエットをしたい方や太っている方にも実は不眠の方や眠りが浅い方が多いのです。

不眠になってしまうと体力の低下・免疫力の低下・自然治癒力の低下を補おうと身体が働きかけます。

その働きとは「痩せる作用である代謝(エネルギー消費)を低下」させて「太る作用である食欲を増強しエネルギーを蓄える」という非常に太りやすい体内環境を作り上げてしまうので不眠は間接的ではありますが大きな肥満原因となってしまいます。

 

成長ホルモンの低下=代謝低下

成長ホルモンは寝ている間に分泌され主に子供の発育を促すホルモンです。発育とは身体を作る事ですが、体内で肉体を作ることも同化というれっきとした代謝反応なのです。

大人になり身体の発育が止まっても成長ホルモンは寝ている間に分泌されていますが、この時の成長ホルモンは糖の代謝や脂肪の代謝に使われているのです。

つまり不眠になってしまうことで日々の「糖代謝・脂質代謝」の能力が下がってしまうのでエネルギー消費量が下がり太りやすくなってしまうのです。

 

食欲を増強するグレリンの増加

睡眠不足に陥る事で恒常性が働き身体を守る為にエネルギー源を蓄えようと働きかけます。

これがグレリンというホルモンの分泌による食欲の増加です。グレリンが分泌されると空腹感を感じやすくなり頻繁に食べ物を口に運ぼうとしてしまいます

これは不眠により免疫や体力が低下している身体を守ろうとする防衛システムなのです。

 

 

 

 

3.自然な不眠の改善方法

不眠を改善するには現在の私生活その物を見直す必要があります。そして現在の生活の中で概日リズム(体内時計)を狂わせる原因とホメオスタシスを狂わせる原因を解決し私生活のリズムその物を改善することが自然に眠りにつくための自然なアプローチとなります。

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概日リズムが狂い不眠になっている場合

概日リズムを狂わせて睡眠スケジュールその物を狂わせてしまうものが覚醒に関与する「光・食事・運動」などの同調因子です。

不眠の人の多くが睡眠に適切でないタイミングで同調因子の影響を受け続け常に覚醒を促してしまう生活環境に置かれていることが多いです。

逆に言えば覚醒を促す「光・食事・運動」などの同調因子を正しいタイミングで遮断することにより身体の仕組みを正すことができ自然に眠りにつくことができるということです。

 

光に関する覚醒を抑制

太陽の光である紫外線を浴びると人の身体は本格的に目覚めると同時に夜眠る為のスケジュールを概日リズムによって定めます

つまり紫外線のような強い光には覚醒を促す作用と睡眠に必要なメラトニンの分泌をその場では抑え光の刺激から計算して分泌タイミングはかっているという事になります。

そして現代社会ではLED照明を始め、パソコンやスマートといったブルーライトを発生する電子機器と常に密接に生活しています。

このブルーライトが太陽光と似通った光と身体が判断するので四六時中身体は強い光=太陽光を浴びていると錯覚し概日リズムが正確に働かないことで夜間のメラトニン分泌に支障が出る為、夜眠れなかったり、なかなか寝付けない人が多いのです。

 

飲食に関する覚醒を抑制

覚醒を促す因子は太陽光やブルーライトとのような光だけではありません。

コーヒー緑茶エナジードリンクチョコレートなどに含まれるカフェインやお酒に含まれるアルコールなども覚醒作用があるので概日リズムを狂わせる大きな要因なのです。

カフェインを代表とする覚醒物質を摂取すると交感神経が優勢の状態となりノルアドレナリンの分泌を促します

アドレナリンは闘争心や興奮に深く関わるホルモンなのでノルアドレナリンが分泌されていると眠りにつくことが難しくなってしまうのです。

夜眠る前、もしくは夕方以降は食事や飲み物からは覚醒物質を摂らないように心がけましょう。

 

運動に関する覚醒を抑制

運動をすると筋肉の激しい稼動からエネルギーを消費し呼吸や心拍が激しくなります。

運動している時は交感神経が優勢になってしまいやはりノルアドレナリンが分泌されてしまいます

つまり運動のタイミングを間違えてしまうと覚醒作用によって眠りにつくことが難しくなってしまうのです。

現代人は夜間にジムやランニングをする習慣が見受けられますのでなるべく運動は明るい時間帯にとどめておき良い疲労感だけを持ち帰り深い眠りに繋げましょう

 

 

ホメオスタシスが狂い不眠になっている場合

眠る為のホルモン分泌その物を担うホメオスタシス機構を狂わせてしまう大きな原因がストレスです。

そしてストレスを受け続けている場合は最初に自律神経に影響が出て相関的に内分泌に影響が出ます

次いで免疫にも影響が出てしまうという負の連鎖を引き起こし健康の要であるホメオスタシス(恒常性の維持)機能そのものがダウンしてしまうので長期間ストレスにさらされ不眠になっている場合は病院で医師に相談することをお勧めします

 

ストレス原因の低減

 仕事・学業・家庭など年齢別に様々なストレス環境に置かれるのが現代社会です。

今の時代を生きるのにストレスからはなかなか逃れられないのが現実だと思いますが、このストレスがホメオスタシスの司令塔である自律神経の働きに悪影響を与えてしまうのです。

ストレスの影響によって自律神経がダメージを受けると次いで、内分泌、免疫と健康の三本柱であるホメオスタシスの機能が低下してしまいます。

これは睡眠の恒常性(ホメオスタシス)にも言える事なのでストレスはホメオスタシス機構の睡眠プログラムにも影響を与えてしまいます。

ストレスを解消することが唯一の治療となるので、休日には好きな事を思いきり楽しんだり個人個人がストレスを発散できる行動を取るのが大切なことです。

 

長期間ストレスを受けている場合

ストレスを受け続けると知らず知らずのうちにストレス耐性が付き心が無の状態になっている人がおられます

その無の境地に達した状態では本人は平気だと思っていてもストレスの解消や発散ができていない以上身体にはストレスが蓄積しています。

つまり身体にストレスが蓄積し続けて徐々に寝つきが悪くなりしまいに眠れなくなるという慢性的な睡眠障害に繋がってしまいます

このような長期的なストレスによる慢性的な睡眠不足な場合は早急に医師に相談することをお勧め致します

 

 

現代における睡眠不足・不眠症改善及び予防方法

現代では文明の発展と経済成長により概日リズム・睡眠の恒常性の双方に影響が起きている方がほとんどだと考えます。

睡眠は規則正しいリズムの構築と睡眠に必要なホルモンを分泌を正しく行うことで自然と眠れるようになるのです。

 

睡るのための睡眠スケジュールを正し自然に眠る方法

①朝規則正しく起きて、朝日を浴びる

②3食規則正しい時間に食事を摂る

③寝る前の運動は避ける

④寝る前のお酒は避け就寝3時間前までにする

⑤寝る前のカフェインは避け寝る3時間前までにする

⑥夜間のブルーライトなどの強い光はなるべく避ける

⑦夜間のスマートフォン・PCはナイトシフトモードにする

⑧夜間にスマートフォン・PCをさわる時PC眼鏡があると良い

⑨入浴は寝る30分~1時間前に入る

⑩眠れなくても焦らず何も考えないこと

⓫ストレスを貯めないように自分の方法で解消する

JINS SCREEN

 

以上で不眠の「仕組み・影響・改善方法」に関する記述を終えさせて頂きます。

現代の不眠人口増加の背景には経済発展のために睡眠時間削り働いてきたことと文明の発展により生活の利便性が上がることで本来自然に眠りにつくために備わっているシステムが正常に動かなくなってしまうというものでした。

しかし睡眠を阻害している身近な物に気が付く事で自己改善の幅は広がりますので、この機会に是非、自然に眠る為の睡眠スケジュールを見直してみてはいかがでしょうか🌸

ダイエットの要「脂肪分解=加水分解」のメカニズムを分子レベルで解説

脂肪の分解とは身体が脂肪とういうエネルギー源を必要とした時に脂肪を使うために加水分解し血液中に放出することです。
脂肪分解は脂肪細胞内で起こる反応ですが分解経路自体は3本から構成されており3つの分解反応をまとめて脂肪動員と言います。
ダイエットで効率良く脂肪を減らすには常に脂肪を3本の分解経路を活性化する条件を満たし脂肪を分解し続ける必要があります。

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この記事ではダイエットに必要不可欠な脂肪分解(加水分解)を細胞レベルのミクロな目線で解説しシェアさせて頂きます。

 

 

 目次

 

 

 

1.脂肪細胞内の構造と分解を担う者

脂肪細胞は脂肪を蓄える細胞です。脂肪細胞は細胞膜と核、そして脂肪滴と呼ばれる脂肪そのものが大部分を占め構成されています。この脂肪細胞内の脂肪滴を分解する為に特定の酵素やタンパク質を活性化する必要があります。

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脂肪細胞の構造と名称

  • 脂肪細胞:「核・脂肪滴・細胞膜」からなるものが脂肪細胞です。主に食事から余ったエネルギー源を脂肪として蓄積する貯蔵庫の役割を果たす細胞です。


  • 脂肪滴:脂肪細胞の中に存在する中性脂肪(トリグリセリド)を蓄える袋のようなもので、脂肪滴が大きくなることで脂肪は大きく肥大化していきます。


  • :真核生物(核がある生き物)の細胞を構成する細胞内小器官の一つで、核の中には染色体が存在し遺伝情報の保存と伝達を行います。

 

 

 

脂肪分解(加水分解)を担う酵素やタンパク質

脂肪分解(加水分解)を起こすものは酵素(キナーゼ・リパーゼ)とタンパク質の
大きく分けて2つが存在します。
脂肪分解に有効な条件が揃うと酵素とタンパク質が融合し分解に適した形に変わる事で特異的に脂肪を分解してくれるのです。

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カテコールアミン
  • アドレナリン・ノルアドレナリン:脂肪を分解する為に必要となる神経伝達物質です。

  • カテコールアミン受容体:アドレナリン・ノルアドレナリンなどのカテコールアミンが結合する受け口です。

酵素(キナーゼ)
  • PKA(プロテインキナーゼA):カテコールアミンが結合することで活性化し脂肪分解に必要な酵素やタンパク質を分解に適した形に変える(リン酸化結合)役割をする酵素です。

酵素群(リパーゼ)
  • HSL(ホルモン感受性リパーゼ):脂肪分解に必要な分解経路を構築する酵素です。

  • ATGL(脂肪細胞特異的トリグセリドリパーゼ):中性脂肪に対して特異的に反応し分解経路を構築する酵素です。

タンパク質
  • ペリリビン:PKAと同様にカテコールアミンによる刺激によって活性化し脂肪分解経路を構築するタンパク質です。

  • CGI-58:カテコールアミンによる刺激によってATGLを活性化させるタンパク質です。

 

 

 

 

2.脂肪分解が促進される体内条件

まず脂肪分解(加水分解)を行うためにはエネルギー源が体内にあっては難しいです。逆にいうと糖やグリコーゲンなどのエネルギー源が不足する状況下ではエネルギー源を補うために分解が起こるのです。

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血糖値が低い状態

我々の身近なエネルギー源はグルコースやグリコーゲンなどの糖類です。

糖は血液中に血糖という状態で放出されることで体中に運ばれエネルギー源として使われます。

しかし運動時や食べ物を食べていない時は血糖値は下がってしまいエネルギー源不足となります。

  • 運動している時:運動中は常にエネルギー(ATP)を消費しているので体内にあるグリコーゲンや血糖などのエネルギー源が減少します。その結果足りないエネルギー源を補う為に脂肪を分解し燃焼しエネルギーを生産するのです。

  • 空腹の時:食べ物を食べていないということはエネルギー(ATP)を生み出すエネルギー源が不足していることになります。エネルギー不足を補う為に蓄えてある脂肪を分解し燃焼することでエネルギー不足を補います。

 

 

 

分解のシグナルであるカテコールアミン

血糖値が下がると糖というエネルギー源の代わりに脂肪を使わなければなりません。

ただ脂肪は脂肪細胞内の脂肪滴から分解し脂肪酸という形にしなければ使えないので分解するためにカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)というホルモンを分泌するのです。

 

 

 

 

3.脂肪分解に必要なホルモン(カテコールアミン)

カテコールアミンとは「アドレナリンやノルアドレナリン」に代表される神経伝達物質のことです。人や動物の体は栄養状態の悪化やエネルギー不足を感知すると貯蔵している脂肪を分解するために必要なカテコールアミンを分泌します。

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カテコールアミン分泌条件

カテコールアミンの中でも脂肪分解に直接作用する物はアドレナリン・ノルアドレナリンです

アドレナリンは自律神経でいう交感神経が優勢になっている時や分泌にされます。そして特異的に分泌を促す成分を摂取することでも分泌が促されます。

食事による分泌
  • 糖質制限:体内で速やかに、そして一番早く優先的にエネルギー源として消費される糖質を断つことで身体は脂肪をエネルギー源として活動しなければなりません。つまり糖質制限はカテコールアミンの分泌を促し脂肪を分解する最高効率の食事制限なのです。

  • カロリー制限:カロリー制限は一時的なエネルギー源不足を作り出す食事制限です。今までの食事で得られていた摂取カロリーが減ってしまうと減った分を取り戻す為にカテコールアミンを分泌し脂肪を分解するという単純だけど効果が高い食事制限です。

運動による分泌
  • 一時的なエネルギー源不足:運動時は常にエネルギー源を燃やしエネルギーを消費しています。つまり運動中はエネルギー不足状態になりやすいので脂肪を分解する必要があるのでカテコールアミンも分泌されます。

  • 一時的な肉体へのストレス:運動時は激しく動く事で興奮したり肉体的にストレスを受けたりする事も多々あります。つまり運動時は交感神経優勢の状態なので身体を守る為にもカテコールアミンを分泌し栄養状態に気を配っている訳です。

特異的な分泌
  • EPA・DHAの摂取:京都大学の研究ではEPA・DHAを含むオメガ3脂肪酸を摂取することでアドレナリン・ノルアドレナリンなどのカテコールアミンの分泌が促進されると報告があります。


  • カプサイシンの摂取:唐辛子に多く含まれる辛味成分であるカプサイシンを摂取すると、カプサイシンは脳に運ばれ中枢神経系を経てアドレナリンの分泌を促します。

 

 

 

 

4.カテコールアミンによる分解酵素(PKA)の活性化

脂肪細胞の外側の細胞膜にあるカテコールアミン受容体にカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)がくっつくと脂肪細胞の内側にあるPKA(タンパク質リン酸化酵素)の活性が上がります。

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PKA活性化=脂肪分解システム始動

受容体にカテコールアミンが結合することで脂肪細胞内にあるPKGの活性が上がり
脂肪分解を担う「タンパク質・リパーゼ」を活性化することで脂肪分解は始動します。

 

 

 

 

5.PKAによる「タンパク質・リパーゼ」の活性化

PKAが活性化することで脂肪分解に必要な「タンパク質・リパーゼ」がリン酸化されます。このリン酸化によって脂肪分解の働きが上がり分解が進みます。

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PKA活性化によるリン酸化反応

リン酸化反応によって何故脂肪の分解が起こるかというとリン酸化による構造の変化によって機能も変わるからなのです。

つまり脂肪分解を担う「タンパク質・リパーゼ」がリン酸化によって脂肪分解に適した構造に変化することで脂肪分解が開始されるということです。

 

 

 

 

6.脂肪分解は3つの分解経路で同時進行する

脂肪分解を担う「HSL・ペリリビン・ATGL」などのタンパク質や酵素群はPKAの活性化によるリン酸化反応によって各自脂肪分解に適した形に変形し、3本の脂肪分解経路を構築します。

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脂肪動員と呼ばれる脂肪分解ルート

脂肪細胞内の中性脂肪は細胞外へ加水分解されて放出される時に3本の放出経路を使って効率よく分解放出されます。

この3つの脂肪分解をまとめて脂肪動員と位呼ばれます。

脂肪分解経路1
  • PKAとHSLによる脂肪分解経路

脂肪分解経路2
  • PKAとペリリビンによる脂肪分解経路

脂肪分解経路3
  • CGI-58とATGLによる脂肪分解経路

脂肪の分解はカテコールアミンによるPKAの活性化から始まり最終的に3本の分解経路を構築し中性脂肪は脂肪酸に分解され血中に放出されるのです。

そして分解された脂肪酸はアルブミンというタンパク質と結合することで遊離脂肪酸という移動できる形態に変わり血液中を移動して体の各組織に存在するミトコンドリアに運ばれ代謝されるのです。

 

 

 

脂肪分解(加水分解)順序・仕組まとめ

①エネルギー源不足によりアドレナリンなどのカテコールアミンが分泌される

②脂肪細胞外側にある受容体にカテコールアミンが結合することでPKAが活性化される

③PKA活性化により脂肪分解を担う「HSL・ペリリビン・ATGL」などのタンパク質や酵素群がリン酸化される

④リン酸化によって脂肪分解を担うタンパク質やキナーゼが脂肪分解に適した構造に変化し3本の分解経路を構築することで中性脂肪は脂肪酸に分解される

⑤分解された脂肪酸はアルブミンというタンパク質と結合し遊離脂肪酸になることで血液中を移動し燃焼機関に運ばれる

 

これらの工程を経て脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪は分解され遊離脂肪酸となりミトコンドリアに運ばれて燃焼(β酸化)されるのです。

ダイエットは脂肪を減らす為に行う健康療法です。そして脂肪は分解しなければ燃焼することができません

分解する為にはアドレナリンなどのカテコールアミンを分泌する必要があるので、分泌を促し脂肪を分解し続けるために食事制限が必ず必要となるのです。

 

脂肪の分解の具体的な方法が知りたい方は下の記事をご参照下さい。

www.diet-soundsgood.com

 

 

 

以上で脂肪分解(加水分解)に関する記述を終えさせて頂きます。

ダイエットでは「脂肪の分解」というキーワードをよく耳にしますが、実際に体内では複雑な反応を経て3つも脂肪を分解する経路を構築し必要な時に効率よく脂肪をエネルギー源として使うためのシステムが備わっているのです。

とてもアカデミックな内容で難しい内容でしたが、この記事に辿り着いたあなたの探求心がダイエットのプラスになることを祈っています🌸