アディポネクチンとは脂肪細胞から分泌されるホルモンのことで脂肪と糖の燃焼を促す働きがあります。その減量効果は素晴らしく近年研究機関で日々研究されています。東京大学ではアディポネクチンの脂肪燃焼作用は運動と同等の働きと報告しており現在のダイエット業界でも非常に注目を浴びています。
この記事ではダイエットで注目されてアディポネクチンについて詳しく解説させて頂きます。
目次
1.アディポネクチンとは
1996年に松澤教授率いる大阪大学の研究チームによって発見された善玉ホルモンです。
アディポネクチンには糖代謝・脂質代謝を促進させ生活習慣病を未然に防ぐ効果から「痩せホルモン・長寿ホルモン」などと言われています。
発見の経緯
大阪大学の松澤教授率いる研究チームが寿命に関する研究をしていたところ「長寿の方と短命の方」を比較した時に体内のアディポネクチン量に差がある事がわかりました。
そこでアディポネクチンに関して深く調べていくと様々な健康効果を発揮するホルモンとわかったのです。
アディポネクチンの分泌
寿命に関係し様々な健康効果をもたらすアディポネクチンは実は脂肪細胞から分泌されていることがわかりました。
健康に良い影響を与えるアディポネクチンを増やすためにアディポネクチンそのものを摂取する研究がされましたがアディポネクチンはホルモンなので摂取しても分解されてしまい失敗しました。
つまりアディポネクチンを増やしたければ「体内でアディポネクチンを生産」するしか方法は無いのです。
2.アディポネクチンの働きと効果
アディポネクチンは主に「肥満の抑制・生活習慣病の予防」に効果を発揮します。
アディポネクチンにはがんをも予防する効果が認められており「がん抑制遺伝子」の発現および活性化作用や糖尿病の改善効果が厚労省にも認められているというまさに健康に必須のホルモンなのです。
ダイエット効果
アディポネクチンがダイエットで注目されている理由はエネルギー代謝を促進する働きがあるからです。
逆に言うと「アディポネクチンが減ってしまう事でエネルギー代謝が低下し太ってしまう」ということを厚労省も認めています。
つまりアディポネクチンのダイエットでの効果は国も医療も認めており日々世界中の研究施設で研究されています。
健康効果
アディポネクチンの健康効果は生活習慣病と関りがある「糖尿病・動脈硬化・高血圧・メタボリックシンドローム」の予防および改善をしてくれることです。
これらの病は主に肥満が原因で発症しますがアディポネクチンは「脂質・糖質」どちらのエネルギー源の代謝を促進します。
この優れたエネルギー代謝能力が脂肪の減量をサポートし肥満・メタボリックシンドロームによる健康被害を低減してくれるのです。
3.アディポネクチンで痩せる仕組み
東京大学の門脇教授率いる研究チームがアディポネクチンのダイエット効果を深く研究し解明してくれました。
そしてアディポネクチンで痩せる仕組みは「運動で脂肪が燃焼される仕組みと同じ」ということが解ったのです。
運動で痩せる仕組み
脂肪は身体の細胞の中にあるミトコンドリアという燃焼機関で燃やされ無くなります。
この脂肪燃焼工場であるミトコンドリアを動かす為にAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)というエネルギー生産を管理しているタンパク質の活性を上げる必要があります。
AMPKは激しい運動や低グルコース時に活性化します。つまりこれが運動をすると痩せる「身体の脂肪燃焼の仕組み」なのです。
●脂肪燃焼の要であるAMPKに関して詳しく知りたい方は下の記事をご参照ください。
アディポネクチンの作用
「痩せるために最も重要な事はAMPKを活性化すること」だとご理解頂けたと思います。
東京大学が発表したアディポネクチンが脂肪を燃やす仕組みが運動と同じ作用というのはアディポネクチンがAMPKを活性化するからなのです。
通常AMPKは運動によって活性化されますがアディポネクチンがあれば運動をしなくてもAMPKが活性化されます。
つまりアディポネクチンがあれば運動をしなくても痩せられるということなのです。
●脂肪燃焼の仕組みについて詳しく知りたい方は下の記事をご参照ください。
4.アディポネクチンの生活習慣病予防改善効果
アディポネクチンの生活習慣病予防改善効果の大部分を担っているのは運動と同等の脂肪燃焼によるダイエット効果です。
生活習慣病は内臓脂肪が増え太ることから始まる病気なのでアディポネクチンを増やして肥満の予防ができればそれこそが生活習慣病の予防改善につながるのです。
糖尿病の改善
アディポネクチンには糖代謝を促す作用があります。つまり糖を代謝できない糖尿病患者さんであってもアディポネクチンがあれば糖を使うことが可能なのです。
東京大学の門脇教授は日本糖尿病学会の理事長でもあるためアディポネクチンがもたらす糖尿病改善効果をお薬に活かす為に現在も研究されています。
血管障害の改善
肥満から始まる動脈硬化や高血圧にもアディポネクチンは作用します。
太っている人は糖質の過剰摂取によるものが多いのですが実は糖を摂取し血糖値が上がってしまうと体中の血管内で糖が固まる「糖化作用」によって血管が傷付き血管障害を起こしてしまうのです。
これらの血管の損傷に対してアディポネクチンの特異的な作用である血管を修復する働きが効果を発揮しています。
免疫疾患
がんなどの自己免疫疾患に対してもアディポネクチンは有効に働きかけます。
アディポネクチンの作用によってAMPKが活性化するとがんを抑制する「がん抑制遺伝子p53」が発言され活性化されます。
つまりアディポネクチンがあるとがんを未然に防ぐ働きをしてくれるという訳です。
5.ダイエットにおけるアディポネクチンの重要性
厚労省でも肥満やメタボリックシンドロームの原因の一つにアディポネクチンの分泌量の低下をあげています。
世の中のダイエットは「太るという症状」に対してアプローチしていますが「太る体質」についてはアプローチしていません。
アディポネクチンはダイエットでは改善できない太る体質を改善してくれる優れた痩せホルモンなのです。
ダイエットと氷山の話
よく比喩表現で「氷山の一角」という言葉がありますがダイエットも当てはまります。
氷山は海に浮かぶ氷の島ですが、その実体は目に見えている小さな部分と目には見えない海に沈んだ大きな部分で形成されています。
これを肥満で表すと「小さな部分=太る症状」で「大きな部分=太る体質」となります。
よくあるダイエットでは見えてる氷を削り取って痩せたとしても症状に蓋にする対処療法にすぎず太る体質にアプローチしていないので「隠れている大部分がまた浮き上がりリバウンドする」ということになるのです。
つまり本当に大事なことは太る体質にアプローチする根本治療がダイエットでは最も大切なことなのです。
アディポネクチンで痩せ体質
氷山の隠れた下の部分である太る体質にアプローチできるのがアディポネクチンです。
「厚労省もアディポネクチンの減少が肥満の原因の一つだと認めているということはアディポネクチンを増やせば痩せやすく太りにくい体質を手に入れられる」ということです。
ダイエットで最も重要な体質改善の大きな可能性を秘めているアディポネクチンを増やすことは今後のダイエットの重要なポイントとなると私は考えています。
そして実際にアディポネクチンは増やすことが可能なのです。ですがアディポネクチンを直接摂取することは残念ながらできません。
その理由はアディポネクチンがホルモンである以上ホルモンを摂取しても体内で一度分解されていしまうのでアディポネクチンとしての効果を発揮でないからです。
アディポネクチンを増やす方法はたった一つ「体内でアディポネクチンを生産する」しかないのです。
●「アディポネクチンの増やし方(分泌方法)」について詳しく知りたい方は下記記事をご参照ください。
以上でアディポネクチンに関する記述を終えさせて頂きます。
明日アディポネクチンの増やし方に関する記事を書かせていただきますのでお楽しみにお待ち下さい!
アディポネクチンはダイエットの救世主であることは間違いありません。脂肪燃焼の仕組みにアプローチできるアディポネクチンはまさに「ダイエットの科学」と言えるのではないでしょうか🌸