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ダイエットで人気の「漢方」を分かりやすく解説

東洋医学は身体の不調は「身体の自然治癒力で病を治す」という概念を持ちます。この自然治癒力を高める物が自然由来の生薬を配合して作られた漢方薬です。生薬単体の効果と組み合わされた漢方薬独自の効果から得られる複数の薬効により身体の状態を「整える・高める・戻す」という効果があります。東洋医学では漢方薬の効果を発揮するために身体の不調の原因を調べる「気・血・水」体調を診る「症」漢方薬処方の精度を上げる「四診」という診断を組み合わせて患者に合う漢方薬を導き出しているのです。

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漢方薬



この記事ではダイエットで人気のある漢方「東洋医学・漢方薬」について詳しく解説させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

1.漢方「東洋医学・漢方薬」とは

自然界にある植物・動物・鉱物などの生薬を複数組み合わされて作られた自然のお薬です。元は中国の伝統医療で何千年にも渡る治療の経験によって、様々な生薬の組み合わせで、効果や危険性などのあらゆる結果を長い年月をかけて蓄積させ漢方処方として体系化されました。

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生薬と漢方薬

長い治療年月で得られた経験・結果をもとに効果があるとされた物「植物・動物・鉱物」を「運搬性・保存性・利用性」を重視し加工したものを生薬と呼びます。

代表される生薬は植物であれば「つぼみ・花・茎・葉・根」であったり、きのこ類などの「細菌」や「昆虫」、鉱物では「硫酸カルシウム(石膏)」、動物では「牛の胆汁(牛丹)・牡蠣の貝殻(牡蛎)」などがあり、それぞれを混合して使用する治療薬が「漢方薬」というものです。

漢方の定義は原則として2種類以上の生薬を定められた分量で組み合わせて作られたもので漢方薬には生薬を複合する事で様々な効果が得られ、ピンポイントで効果を発揮する西洋薬とは効果・アプローチ共に対照的な存在なのです。

 

 

 

漢方薬独自の効果

漢方薬は最低2種類以上の生薬を組み合わされて作られる自然由来のお薬です。

漢方薬には漢方薬としての効果と配合される生薬その物の効果が存在しており、漢方薬としての効果とは生薬の組み合わせによって起こる複合的な効果「生薬の効果+組み合わせの効果」を持ちます。

つまり漢方薬はピンポイントで効果を発揮するお薬ではなく、生薬の組み合わせによって幅広く作用する特性を持つので弱ったところを起点とし調和を取ったりバランスを整えるように働きます。

このように働きかけるお薬は漢方薬独自であり西洋薬にこのような特性はありません。

 

 

 

 

東洋医学の歴史

東洋医学には発症元である中国の中医学と日本に渡り日本独自の発展を遂げた日本漢方の2つのルーツが存在します。

  • 中医学
    中国4千年の歴史の中で、効能効果がわからない中とにかく試す人体実験の歴史が漢方という文化に発展したと考えられています。漢方とは結果から生み出された優れた自然由来のお薬なのです。

  • 日本漢方
    古代中国から日本に導入されたのは5~6世紀頃です。ここから日本の漢方は日本の風土や気候、日本人の体質に合わせて日本独自の発展を遂げ伝統医学として定着し17世紀頃に大きく発展し体系化され現在の日本の漢方へと受け継がれています。

 

 

 

現代医学における漢方

上記のような漢方導入の背景はあるものの現代医療で用いられている漢方医学や漢方薬は、日本の伝統医学として独自に発展していった「日本独自の医学」なのです。

そして以前は病院などでは処方されなかった漢方も現在では148処方の漢方薬が健康保険で使えるようになっており健康保険が使えることで医療機関を通してより身近な治療薬として処方されるようになっていきています。

それは西洋医学の西洋薬と東洋医学である漢方が一緒に処方されるということでもあり、お互いの治療の得手不得手を上手に補うことで、より効果的な幅広い治療が行えるようになっているということなのです。

 

 

 

 

 

2.東洋医学のルーツ「中医学・日本漢方」

漢方薬を使用する東洋医学には中国の考え方で漢方薬を処方する中医学と日本が独自に発展させた日本漢方の2つが存在します。中医学は人を診断し身体に合わせた漢方処方を行い、日本漢方は症状を診て漢方を処方します。同じ東洋医学でも中国と日本では発展の仕方が異なるところが面白いところなのです。

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中医学の考え方

中医学とは中国4千年という長い期間を有し漢方を処方し結果を導いてきました。

この結果と考察の歴史により中医学は身体の状態を詳しく把握してから症状に合わせるという、身体と症状に合った漢方薬を処方するというスタイルを持っています。

漢方薬に種類は違うのに効果が似ている物が存在する理由は、中医学が持つ身体の状態に合わせるという概念によって生み出されたものです。

その時その人に合った漢方薬を処方するという考え方が中医学の神髄なのです。

 

 

 

日本漢方の考え方

日本漢方は中国から漢方の文化が日本に運ばれてきて独自に発展した東洋医学です。

日本漢方は日本人の体質や日本の気候に合わせ進化していき、特徴としては病に対し漢方薬を処方することです。

これは病に対し処方する漢方薬がほぼ決まっていることを指示しています。

 

 

 

中医学と日本漢方の優位性

中医学には患者の身体の状態を確認し症状を診て漢方処方し、日本漢方は症状に合わせて漢方を処方します。

東洋医学の考え方として中医学は非常に優れたものですが、中国人の特徴を色濃く残している為、本場の漢方処方は時として日本人に合わない場合もあります

つまり日本にとって優れた東洋医学とは中医学ベースの考えを持ち日本人の体質に合った日本で調合された漢方薬を処方するスタイルがベストとなります。

 

中医学「メリット・デメリット」
  • メリット
    中医学のメリットとは、身体の状態に合わせた漢方を処方してもらえることです。身体の状態に合わせる事で漢方特有のシャープな効き目が体感できるのも中医学ならではです。

  • デメリット
    中医学のデメリットは人の身体を学ぶ難易度が高いところです。つまり解釈のレベルが低いと診断のレベルも低くなってしまうということになります。

日本漢方「メリット・デメリット」
  •  メリット
    日本漢方のメリットは症状別に処方される漢方が体系化されているので、比較的簡単に処方が学びやすいところです。簡単だから間違った処方が成され難いところが良いところです。

  • デメリット
    日本漢方のデメリットは体系化にあります。本来の漢方薬、東洋医学とは体質を見極めて、症状に合わせるという工程を経ることでより効果的な漢方処方を導きますが日本漢方にはできません。

 

 

 

 

 

3.東洋医学「中医学」の治療方法

漢方の診察ではまず舌や脈、おなか(腹診)を診て漢方薬を処方する際に目安にするために体質を診ます。漢方では不調の原因を調べる「気・血・水(き・けつ・すい)」という考えと体力や病に対する抵抗力を調べる「症」という考えがあり、この「気・血・水」と「症」を組み合わせて体質を判断しています。

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東洋医学の問診方法



 

漢方独自の問診項目

東洋医学(中医学)の問診は、病の状態を「気・血・水」で調べ身体の状態を「症」で調べます。この2つの問診を組み合わせることで基本的な漢方薬の処方の方向性を定めています。


  • 元気や気力などの目に見えない生命エネルギーを漢方では「気」と表します。西洋医学を用いて表すと、漢方で言う気とは身体の機能を調整する自律神経に近いと考えられています。



  • 血とは血液のことです。血液は身体全体に酸素や栄養素を運ぶという役割を持っており、健康状態を判断する指標となるものです。漢方では身体を「巡るもの」として重要視される項目となっています。


  • 血液を除く身体に含まれる体液のことで症状で言うと「むくみ・めまい・頭痛・下痢」などのことです。西洋医学を用いて表すと漢方の水とは水分代謝や免疫系と考えられています。


  • 体質・体力・抵抗力・症状の出方を表すもので本人が訴える症状やその人の体格などから判別します。症には「虚・実」という訳方があり、体力や抵抗力がある人を「実症」とし、体力が無く抵抗力が低い人を「虚症」と表します。

 

 

 

漢方薬処方の精度を高める四診

漢方では上記の「気・血・水」と「症」を基本として処方の方向性を決定しますが、更にその人に合った処方の制度を上げる為に漢方独自の「四診」という診断を行います。

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漢方薬処方制度を高める四診の種類
  • 望診:「顔色・表情・態度・姿勢・体型」などを診ること

  • 聞診:「声の状態・咳の状態・痰の状態・呼吸器系」などを診ること

  • 問診:「症状・体調・生活習慣・仕事環境」などを診ること

  • 切診:「脈を診る脈診・腹を診る腹診」など手に触れて診ること

漢方に精通している中医師や薬剤師は「気・血・水」で不調の原因を調べ、「症」で体力や抵抗力を調べ、「四診」を行う事でその人に合った最良の漢方を導き出しているのです。

一般的に四診は漢方薬局の問診に含まれている事が多く、一般的なカウンセリングと捉えると良いでしょう。

 

 

 

漢方薬治療の効果

漢方による治療は上記の体質判断と四診により現状の患者の症状と身体の状態を調べるとことから始まります

漢方独自の診断により病に蝕まれる原因となる身体の弱っているところを突き止め自然の生薬で構成された漢方を処方し回復を目指すのです。

つまり漢方による治療とは「病その物」を叩くのでは無く、病に蝕まれる原因となった「身体の弱っている所」を回復させるために漢方薬を処方することで身体が本来持っている自然治癒力を高めて病の根本治療を行う医療なのです。

 

 

ダイエットに漢方を使う意味

これまで解説してきた通り、漢方薬とは東洋医学の知見に基づき身体の不調を身体の治癒力を高めて治療する医学です。

これをダイエットに置き換えると身体の不調は「肥満」となり、肥満の原因を正すものが「漢方薬」となります。

本来人間の身体は太り過ぎたり、痩せすぎたりしないように健康体重を維持するようにできています。

しかし肥満を患ってしまう方の多くは体脂肪のコントロール機能が正常に働いていないのです。

漢方ダイエットとは体脂肪のコントロール機能を東洋医学の知見と漢方薬を使い正常な働きに戻す減量方法なのです。

 

 

 

以上でダイエットで人気がある「漢方」に関する記述を終えさせて頂きます。

漢方の考え方とは「病」は自分の身体で治すという考え方を持ちます。

これはダイエットに置き換えても同じ事ですので、ダイエットを行っても痩せない方やどんどん太ってしまう方は一度漢方薬局で身体を診てもらうと突破口がみつかるかもしれませんよ🌸